人間に許された食生活の実際
【1.主食は玄米がベース】
 栄養学者の中には、玄米は公害物質が多く含まれている、だから危険だ……という人がいます。これは全くのナンセンスな機械論に過ぎません。
 昨今に食品科学は、その食品の価値を分析しようとして、「食品分析値」だけに目を向け、これを金科玉条のように信奉する傾向があります。

 しかし食品分析値でその食品を判断する基準は、人体とかかわりを持たない食品固有の物質的な価値判断であり、例えば玄米並びに白米に含まれた農薬などの公害物質が、生命体に取り込まれて、これがどういう運命を辿るのかということを追跡しなければ、結果として、その食品価値を本当に判断することは出来ません。
 つまり、生命体と言うものは生きている人間の生活活動の範疇にあるもので、人体内で起こる現象は細かく分析した分析表の論法通りに説明のつくものではありません。

 さて、玄米についてですが、玄米は精米して表皮を削ぎ落としたものでないため、単純に考えて精白米より公害物質摂取量は多いとされています。
 ところが玄米食の人と、白米食の人を比べますと、玄米食をしている人の方が公害物質の蓄積は少ないという結果が出ています。これは頭髪に混じる公害物質の確認からでも明らかになっています。

 では何故、本来、公害物質摂取量の多い玄米食をしながらも、その蓄積量が減少したのでしょうか。
 まず、玄米には公害物質を排泄する作用が備わっているからです。
 例えば玄米に含まれるフィチン酸は、放射性物質や水銀などの重金属、その他の公害物質と非常によく結合する性質を持っています。その為にこうした有害物質を腸から吸収することを阻止して排泄します。

 このフィチン酸は、アルカリ性の条件下で働く特性を持っています。その結合率はpH7(生理的中性)では約80%が、pH8(アルカリ)では100%が、有害物質と結合します。
 またこうした有害物質が一度血液中に取り込まれたとしても、玄米には強肝・強腎効果がありますから、これらの物質は直ちに解毒され、排泄されます。
 更に玄米は生きている米ですから、畑に蒔くと発芽するという強い生命力を持っており、その上に抗癌食品であるということも分かります。

 ところが、白米にはそうした力はなく、畑に蒔いても発芽せず、公害物質をはね除ける力は、もはや失った、生命力のない「死んだ米」なのです。
 この死んだ米は、それどころかこれを食べると血液性状を混乱させ、消化機能を失わせるという悪循環の元凶となります。
 この悪循環は、肝臓や腎臓などの解毒機能を弱め、それが起因して自律神経や内分泌機能の拮抗を失わせて、交感神経と副交感神経の拮抗を崩し、両者の働きを鈍らせます。

 まず、交感神経(sympathetic nerve/ 高等脊椎動物の神経系の一で、自律機能を調節する神経系)の働きが鈍ると、神経の興奮を支配器官に伝達する物質であるアドレナリン・ノルアドレナリンの生体活動が鈍り、副交感神経系との拮抗を失います。
 この拮抗が失われれば、副交感神経は動眼・顔面・舌咽・迷走の脳神経に含まれ、呼吸・消化・循環などを支配する神経系ですから、胃腸運動に対しては促進的に作用しなくなり、また、血管拡張・瞳孔縮小・温熱発汗などの働きも鈍ります。

 交感神経は自律機能を調節する神経系で、その中枢は脊髄の胸腰部側角にあり、神経線維は前根を経て、脊柱の両側を走る交感神経幹に入り、神経幹には多くの交感神経節があり、そこから出た神経末梢が血管・皮膚・汗腺・内臓平滑筋・分泌腺などにひろく分布しています。
 そして副交感神経系と、拮抗を保ちつつ、両者で自律神経系を形成します。したがって交感神経に異常が起こると、副交感神経にまで及び、こうして両者の機能が阻害されますと、末端からアセチルコリンを分泌して支配器官に作用する副交感神経も機能低下を招く分けです。
 ところが自律神経の内分泌機能の拮抗に優れた働きをする食品が、玄米なのです。

【2.玄米の中に雑穀を配する】
 玄米をベースにしてこの中に、玄米3に対し、雑穀と豆類1を配分します。
 雑穀は粟(あわ)、稗(ひえ)、黍(きび)、ハト麦、丸麦などで、豆類は大豆、小豆、黒豆などです。

【3.副食は野菜、海藻類、いも類、豆類、種子類、小魚・貝類がベース】
 野菜の調理法と食し方は、夏場はレタス・胡瓜・トマトなどの生野菜を食べても構いませんが、冬場はこうした生野菜はあまり感心できません。冬場は出来るだけ、根野菜を煮て、大根・人参・蓮根・蕪(かぶ)・玉葱(たまねぎ)・じゃがいもなどを食べるようにします。

 十大薬効食品としては、ねぎ(胃腸病・冷え症・カゼに薬効)、山芋(思考力の増強・糖尿病・生殖器生涯に薬効)、きくらげ(胃潰瘍・貧血に薬効)、生姜(解毒・胃下垂・下痢・カゼに薬効)、アスパラガス(高血圧・虚弱体質に薬効)、アボガド(老化防止・惚け防止・動脈硬化・肥満症・便秘・高血圧に薬効)、松の実(喘息・不眠症・ノイローゼ・動脈硬化に薬効)、じゃこ(腰痛・骨粗鬆症・抗癌・高脂血症・糖尿病に薬効)、蕎麦(便秘・高血圧・寄生虫駆除・動脈硬化に薬効)、人参(胃潰瘍・生理不順・冷え症・低血圧に薬効)

 海藻類しては、ワカメ、ヒジキ、昆布など。
 いも類しては、里芋、山芋、さつまいも、じゃがいもなど。
 豆類しては、いんげん、そら豆、小豆、大豆など。
 大豆製品としては納豆、豆腐類、油揚げなど。
 種子類としては胡麻、ぎんなん、くるみ、ピーナツ、アーモンドなど。
 小魚・貝類としては小型の鰯(いわし)、鯵(あじ)、ワカサギ、ジャコ、イカ、タコ、エビ、カニ、種々の貝類など。

【4.味付けと調味料】
 食品添加物のものは使わず、天然醸造のものを使います。
 醤油、ミリン、味噌、酢、黒砂糖、天然塩、日本酒、胡麻油など。そして薄味であることは言うまでもありません。

【5.是非避けたい食品】
 精白された穀類で、白米・白パン・精白した饂飩(うどん)などの麺類、ラーメン麺・チヤンポン麺など。またインスタントラーメン、ハンバーガー、その他のジャンクフード。
 肉類では牛・豚・羊・鶏・馬などと、卵・牛乳・チーズ・バター・ヨーグルト(日本人向きでない。市販のものは乳酸菌が死滅)など。

 加工食品では肉類はハム・ソーセージ、魚類は練製品の蒲鉾・竹輪・揚げ物など。乾物類は、既に脂が廻り切ってしまった鰯の丸干し・子持ちシシャモ・鯵やカマスの開きなど。
 天麩羅やフライ類、チャーハン・チキンライスなどの油で炒めたもの。
 白砂糖や、白砂糖が入った食品のチョコレート・清涼飲料水・飴・アイスクリーム・しるこ・ケーキ・スナック菓子やクッキー・デザートフルーツやデザート菓子・コーヒーの多飲。また市販の惣菜の煮込みには、白砂糖がふんだんに使われていて、カルシウム破壊が起こるので要注意。
 精製塩や化学調味料(うま味調味料)。合成着色料(無添加と表示されたものでも危ない)
戻る次へ