西郷派大東流の道衣・武具一覧 7



鍛錬用素振木刀
 合気揚木刀


合気揚げ鍛練用・鉄刀木(たがやさん)拭漆塗一刀素振木刀
(柄長さ:20cm、刀身部長さ:60cm、総重量:3,100g)
(材質:硬木タガヤサン・柄部は漆塗り・構造に特殊性あり 本体価格21,5000円)

一切セット価格 250,000円(木刀・内袋・外袋)
納期は受注後1ヵ年未満。材料調達のため、時間が掛かります。)

当商品は西郷派大東流の門人に販売するオリジナル商品で、部外者には販売しておりません。


内袋:本体単品価格 30,000円特上金襴正絹厚ネル入刀袋・正絹太房付き)
材質が鉄刀木の木刀は非常に重くて固い反面、疵をつけると割れ易いので、分厚い、上質の正絹地の刀袋に入れて材質の保護にあたる。



外袋:本体単品価格 21,900円(アラベスク)


 上記の合気揚げ鍛練用・拭漆塗一刀素振木刀は、十数年の歳月をかけて試行錯誤を繰り返し、西郷派が独自に開発した特別オリジナルの一刀素振木刀です。

 合気揚げを鍛練する木刀として開発され、材質はタガヤサン(鉄刀木(たがやさん)/マメ科の高木で、マレー・インド東部などに自生し、木質は硬く、心材は黒と赤の紋様があり、堅牢美麗で風雨に強く、銘木として建築器具に利用される高級材質)で、刀身部は60cm、柄部は日本刀の大刀の柄の長さに合わせて25cmです。
 この木刀は重量が3,100gで、全長が85cmで手許(てもと)に重心がかかるように工夫され、「合気揚げ修行」の為に開発されました。

 この木刀を朝晩1000回以上素振りして、「腕(かいな)の返し」【註】馬術などで馬を抑え、制する時に用いる技術)を稽古します。一人稽古にも最適であり、「日々精進」が達成されます。

 素振り稽古方法は、最初は30〜50回程度の素振りから始め、徐々に肩関節が滑らかに動くようにします。注意点は「肩関節が上下左右に滑らかに動かす」という事で、欲張って、最初から飛ばして多く振らないようにします。また「力で振らない」と言う事です。

 呼吸の吐納(とのうほう)に合わせて、逆腹式・丹田呼吸【註】吐く時に腹を膨らませ、吸う時に腹をへこませる。詳細な口伝があるので正しく教わることが大事。素振りの時もこの呼吸法に合わせる。また肩には「肩霊(かただま)」が宿る)で、徐々に「肩の動き」を馴染ませて行くことが大事であり、振れば振るほど、肩の構造は「骨と皮」の状態になって、いわゆる「撫肩(なでがた)」になります。

 間違った素振りをすると、肩に筋肉が着いて来て、ボディービルダーのようになるので、筋肉もりもりの肩は間違った素振りをした人に現れます。これは筋力で木刀を振ろうとすからこうした、合気揚げには不適合な状態が現れます。
 こうなると、肩関節の中に脂肪塊(しぼうかい)などのゴミが溜まり、肩を傷めてしまう為、したがって、修正が必要になります。


 正しい素振りをすると、肩の筋肉や脂肪が落ちて、一年を過ぎた頃から、腕の構造断面は楕円形(だえんけい)で、腕自体は「へらぶな形」となる。
 木刀の柄
(つか)を握る場合は、力で握り込むのではなく、「卵」を握るように「柔らかく」握ることが大事である。この時、人差指は柄を握らず、中指・薬指・小指で握り、最後に拇指(おやゆび)で握って止める。人差指は、自然の儘(まま)に伸ばし、無理にピンと伸ばす必要はない。そして、小指側ほど締めて握る。
 また、斬り結ぶときは、「茶巾
(ちゃきん)絞り」の要領で、剣筋が正中線を正しく通るようにする。一振り一振りに唸魂(ねんこん)を込め、霊肉倶(とも)に動かすことが大事である。そして、振れば振る程、躰動(たいどう)が起こる。


 一方、正しい素振りをすると、約1年ほどで、「正しい肩の構造」になり、楽に、疲れず、沢山回数が振れて、肩は「骨と皮」の状態になり、肩部の無駄な筋肉や脂肪は消化されて、腕が「へらぶな」のような形になります。この時の腕の断面は楕円形(だえんけい)であり、剣道愛好者の腕の構造とは異なって、日本刀での試し斬りも、斬据(きりすえ)に凄みが出て来ます。
 肩が、骨と皮ばかりで、「なで肩」の人に達人が多いのは、よく知られたことです。つまり、合気揚げ用の鍛練木刀で、素振りの鍛練をすると、なだらかな「なで肩」となり、達人に等しい「剣遣い」が出来るようになります。


【合気揚げ素振用木刀の六大効用】
年齢に関係なく、誰にでもできる。特に男子は適合。
素振りをすると「腰力」は鍛えられる為、腰骨が締まって腰痛を起さなくなる。腰痛は普段の運動不足と、食事時間の不摂生(夜の遅い夕食。夜食や夜の遅い夕食は、腰骨の関節を緩める)から起る。
精神的に「胆力」(ものに恐れず臆しない気力)がつく。不屈の精神力が養える。
肩胛骨(けんこぷこつ)の関節が正しく修復され、肩凝りが治る。現代人は、デスクワークのテクノ・ストレスが懸(かか)る仕事をしている人が多く、肩より上に腕を挙げない為、肩凝りで頭痛持ちの人が多い。こうした矯正に素振りが役立つ。また、肩胛骨が矯正されると、頭蓋骨(ずがいこつ)の関節が締まってくる。
剣術の本義は、「重い物を軽く用い、軽い物を重く用いる」ことから、その巧妙な術理が理解でき、剣術の裏技である「弥和羅(やわら)の術理」が理解できる。
素振りをする時間帯は、腰骨が締まった状態にある、午前4時から7時の間が最適。太陽が昇り切った後で、素振りをすると腰骨を外す恐れがあり、また、稽古した努力が実を結ばない。早朝稽古は養成力がつく。

合気揚げ鍛練用木刀の構造仕様

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 合気揚げ鍛練用木刀は材質は鉄刀木(たがやさん)の為、この木は水に浮かべると沈んでしまいます。原木の材質の木が、今日では中々見つからない為に、材質探しでかなりの時間を要します。既に、数名がこの木刀を注文していますが、半年以上の順番待ちとなっております。

鉄刀木原木
紫檀原木

 上記には二種類の高級原木を上げていますが、左が鉄刀木原木であり、右は紫檀原木です。鉄刀木だけではなく、紫檀原木をベースにした合気揚げ鍛練用木刀も特注で承っていますが、紫檀で製作した場合、更に重くなり、4kg前後になります。但し、紫檀では箆棒(べらぼう)に値段が高くなり、全製作費は70万円程になって、ちょっとした安物の日本刀ぐらいの値段になってしまいます。

 昨今は巷間(こうかん)で、ハングリー武道やハングリー格闘技を愛好する人が増えていますが、本来の武術修行には、大変な金が懸かるもので、こうした武道具を揃(そろ)えるだけでも、かなりの経済的負担が要求されます。
 もともと江戸期の武士の総人口は、全人口(6000万人から7000万人)の5%〜7%と云われていりますが、その武士階層の中でも、僅かに7%弱が500石以上の上級武士であり、武芸や武術の修行には多額の金銭を懸けて学んだ様子が窺(うかが)われます。

 したがって、当時の武芸者と云われた人は、実はハングリーなどではなく、ある程度の経済的余裕がある人が、武術修行に精を出したと思われます。これは今日のハングリー人口層で構成する、武道愛好団体とは大違いの経済格差がありました。つまり、正しく基礎から養成する古武術を学ぶ為には、ある程度の経済的な負担が必要になると云うことです。
 それは武芸や武術を学ぶことは命賭けの事であり、自分の命と同じ価値があり、武道具を揃えることや、師匠筋に謝礼を出すことは、自分の命の防禦(ぼうぎょ)と同等に考えていたからです。つまり、自分の命にそれ相当のお金を賭けたと云うことです。当時の武芸者にとって、自分の命は「千金の重み」で捉えて居たことが窺われます。

 そこで、これを高いと思われるか、安いと思われるかは価値観に相違のある、あなたの自由ですが、果たして、あなたの命の値段はいかほどでしょうか。

 さて、柄部の長さは実際の日本刀の大刀の長さと同じで、25cm、刀身部は60cm、全長85cmでずんぐりとしている為、柄の握りは一般の木刀より太く、したがって滑り止めの為に、黒漆を塗っています。柄部の構造の断面はだ円形ではなく、「丸」です。相当な握力を必要とします。したがって、握力の弱い人はいきなり振っても、手頸や臂の関節を傷めます。握力を充分に鍛えてから、素振りをする必要があります。

 形だけは、樫の木で模倣して代用できますが、3.1kgという重さは樫の木では出ません。また、バランスは、木刀自体が短い為に、手許にかる構造にする為、指の短い人は使い熟すことがが無理のようです。この木刀を素振りするには、剣道式の素振りは無駄であり、古流の剣術を遣っている人でも、毎日100回程度が限界であり、しかし、これを一年二年と振っている内に、術者の腕の構造が「へらぶな形」に変化して行きます。最初は百回程度から始め、半年ぐらい毎日遣っていると、千回程度を楽に振れるようになります。

 また、失敗例としては、剣道愛好者の腕のように「丸太形」になると失敗で、力で振った場合、形に筋肉がついてよくありません。正しい指導者について、この木刀の素振りは習わないと無理なようです。正しく素振りをした人の肩は、肩の筋肉が落ちてしまい、「なで肩」になり、この部分は骨と皮だけになります。肩に、筋肉がつき、盛り上がっては失敗と言えましょう。ここに「怒り肩」の愚があります。この肩の養成者は一見強いように見えて、肩関節が上下に動かない為に、固め取られれば直ぐにギブアップしてしまう脆(もろ)い面があります。

 わが流擬きの木刀を自己流で開発して、遣っている流派の人もいますが、みな失敗しています。大半の人が「怒り肩」になってしまう為です。この合気揚げ用の鍛練木刀は、構造に特別な秘密があるのでなく、これを使う場合の呼吸の吐納や、素振る方法に特殊性があるのであって、構造上には何処を調べても、一般素人の目には、単なる丸太に映ります。

 問題は、この短い「日本刀とほぼ同じ長さの木刀をどう素振るか」にあります。といって、一升瓶に水を入れて振っても、意味がありません。一升瓶に水を入れてそれを振っている人を見かけますが、こうした素振りも徒労の最たるものでしょう。こうして考えてくると、やはり、わが流が何十年も試行錯誤を繰り返して、手の裡に懸るような構造を持つ、この木刀意外に素振りをする方法はないように思います。

 素振りが成功したか、失敗したかは、素振りをした人の腕が、「へらぶな形」か「丸太形」かに懸るようです。また、腕の断面が「楕円」か「丸」か、「へらぶな形」か「丸太形」かの違いが生ずるのは、食べ物にも関係があるようです。
 穀菜食の玄米・雑穀を中心にした粗食・少食の食餌法(しょくじほう)をしている人は「正食」の為、腕の断面構造が「楕円」で、腕が「へらぶな形」となり、肩の筋肉が堕ちて骨と皮ばかりになりますが、肉食をし、乳製品を摂取し、動蛋白を多く取り、白米などを食べ、パンや麺類を食べている「雑食」の人が素振りをすると、腕の断面構造は「丸」で、腕自体も丸太のように、すんぐりとして太いばかりのものになり、肩に筋肉がついて隆起してしまいます。この隆起こそ無駄な筋肉です。これこそ、素振りの失敗例であると云わねばなりません。

 問題なのは、この極めて短く、重い木刀を正しく振っていくには、正しい指導者について素振りの方法を学ばねばならないと言う事です。したがって、木刀自体は、単に珍しい木を遣った、使用不能の蒐集品になって終わるのがオチのようです。

 また、合気道の愛好者や大東流の多くの愛好者は、素振りが正しく行われていない為に、相手が柔道家であったり、アマレスの愛好家であったり、相撲の力士であったりすると、全く手を揚げる事が出来ないようです。握り込まれ、抑え込まれて、微動だにしまいばかりか、逆に抑え込まれ、関節を捕られて、惨めにもギブアップしてしまいます。

 ある大東流の指導者で、柔道家と合気揚げをして、腕関節を外された人がいましたが、この人は合気揚げをする為に基礎技術が欠如していたようです。また、こうした愛好者や指導者の多くは、高級技法にばかりに眼を向け、肝心に基礎力の養成である、素振りを殆ど行わずに、仲間内で、「狎れ合いの無駄な練習」をしているようです。練習は何処までも練習であり、「稽古」といえるものではありません。

 合気揚げを完成させる為には、正しい方法の素振りが大事であり、その素振る呼吸法と、素振りの際の正中線の取り方を正しく身に着けないと、単に素振りをするだけで、無駄な時間を徒労努力に当てなければならなくなります。

 木刀の構造より、その素振る方法を学ばないと、無駄である事は、これで一目瞭然であると言う事が分かります。また、この木刀はわが流の門人に販売するものであり、部外者には販売しておりません。部外者に販売しないのは、部外者は手に入れても、それは所持するだけで、遣い方を知らなければ宝の持ち腐れになるからです。部外者に販売しない理由を、ご了承下さい。

 また、合気揚げ鍛練用木刀を真似して造る場合は、この木刀の仕様の材質や寸法などを詳細に上げていますので、真似して造るのも一興かと思います。但し、この木刀には遣い方、特に「剣遣い」に特殊性や秘密があり、仮に5年や10年の研究では、それらの秘事は分かるはずがないと自負しております。
 更に、外形状はそっくりの模倣品を造り、自己流で素振りをして、手頸・臂・肩などを損傷しても、責任を負いかねます。
 もし、5年や10年懸けて、素振りに無駄な時間を懸けるのなら、「大東流一本捕り
(一本捕り10箇条)の稽古」でも、10年懸かって、日夜努力した方が得策と思います。

 なお、部外者の方で、この木刀についての質問は、秘事につき、これ以上の回答は致しかねます。メールなどでの質問は御遠慮下さい。



─────合気揚げ鍛練用・拭漆塗一刀素振木刀─────


 


各鍛練用素振り木刀のご注文について

 注文確定時に送料が別途請求と表示されますが、再度、折り返しの確認メールにて、金額を修正してお知らせいたします。
 なお、総本部尚道館の門人の方は、直接、道場稽古日に「お引き渡し」致しますので、ご注文の商品と引き換えに代金をお支払い下さい。


送料、お支払い方法について




手裏剣
 鍛冶師の手づくり本鍛え手裏剣




四稜稽古用中手裏剣。但し剣尾の房は使用例。


本手裏剣は鍛冶師が手づくりで、一本一本、丹念に手づくりで仕上げた本格的な刀剣と同じ、玉鋼を鋼材とした本鍛えで、本焼入れが入った稽古用・四稜手裏剣です。中距離打法及び長距離打法に最適です。
 また、本商品は旋盤工作機械で製作・加工した焼入れのない、断面が円形の手裏剣とは異なります。



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