食が乱れると社会も乱れる
 実は、こうした病気の背後には、日本人の食する食体系の誤りから起こる食事法に原因があります。
 既に、食と病気のかかわりは世界の医療の権威筋では証明され居ることであり、日本だけがこうした指摘を余所目に、グルメだ、美食だと踊らされているのです。

 「食が乱れ、慎みがなくなれば、必ず、その肉体は病む。そしてそれは肉体だけに留まらず、精神も病み、魂は穢(けが)され、霊性は地に落ちる」

 これこそが、日本人にとって重要な危機であり、こうした現実に眼を向ける人は非常に少ないというのが実情です。
 したがって食生活の改善は急務であり、これを怠ると、体質も、気質や物事の思考までが悪循環に陥ります。
 日本人の霊的神性の凋落(ちょうらく)はここに存在し、こうした凋落の元凶は、今、青少年の間に静かに蔓延していることは紛れもない事実です。

 人間は、刻々と変化する社会現象の中で生きています。人体もこうした現象に左右されます。
 昨日の貌(かお)と、今日の貌は厳密に言って違います。それは私達の躰の細胞が常に新陳代謝を繰り返しているからです。
 人体を構成している体細胞は、絶え間無く少しずつ新しいものと置き換えられ、古いものを次々に脱ぎ捨てて、新しいものに着替えるという作業が繰り返されています。
 こうした置き換えは、臓器や器官によって異なりますが、喩えば肝臓では約半月間ですっかり新品になり、頭髪は約半年で新しいものに抜け変わります。

 この「新しいものに置き換えられる」という現実の中に、病気が治り、健康を回復するという、人体のメカニズムがあります。
 病気にかかっているということは、体細胞の働きが弱るからで、その原因は主に老廃物や腐敗物質の体内停滞にあります。こうした体内停滞が起これば、異常変質が起こり、体細胞は病的化します。

 体細胞は常に変質し、次々に新陳代謝を繰り返して新しいものに置き換えるという運命を背負っています。したがって新しく生まれる体細胞を健全にして行けば、自然に病的細胞は駆逐できますが、異常変質が起これば躰も心も蝕まれます。
 健全な新しい細胞を造るにはどうすればよいかということが「食養道」であり、それは食生活を改善して血液の浄化を図るということが大切であり、この浄化を「浄血」といいます。

 人間は、その人体構造が水冷式の哺乳動物の肉体を採用しているため、躰の中を食物が流れていくメカニズムになっています。その食物から栄養分が取り込まれ、その栄養分を以て時々刻々と体細胞が作り出されています。こうした現実を振り返ると、人体は「食の化身」ということが言えます。

 したがって気質や体質や思考能力までもが食物の影響を直接的に受け、安易に「何でも好き嫌いなく、好きな時間に腹一杯食べる」という食物摂取の無責任な考え方は通用しません。
 人間の人体を造る上で、適切な食べ物と、そうでない食べ物を間違いなく選び出して、人間に許された食べ物を食べなければ健全な人体を構築することは出来ないのです。

 昨今の社会現象を見てみると、食の間違いから起こる由々しき事態が起こっています。
 青少年犯罪の低年齢化、自分の事しか考えない悪しき個人主義、礼儀をわきまえない日本の少年少女の現実、喧嘩早く、好戦的で、切れやすい我慢知らずの彼等の実態は、食の誤りから起こったものです。未来の日本を担うべき彼等の使命は、今や暴力と性欲の誇示に費やされ、精神的にも肉体的にも、どこか病んでいます。こうした現状は、やがて日本中を覆い尽くし、亡国に向かわせるのは必定です。

 こうした由々しき事態に少しでも歯止めを掛けるために、「西郷派大東流合気武術・武士道集団」は忽然と立ち上がり、古人の研鑽した「大東流霊的食養道」を広く啓示し、ここに日本人民を善導に向かわしめる意義があると考える次第であります。
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