人間とは何か、自分とは何か
 さて、子は父母の結び付きによって個を有します。そしてその結び付きにより、「生まれ」(生年月日)という時刻を歴史に刻みます。

 精虫と卵子の合体により、父母の遺伝的要素受け継ぐのですが、その染色体が組み合わされる時は、地球と月と太陽並びに惑星や星雲などの万有引力の影響を受けるので、同日同時間に生まれた人は、何処か似通った性質を持って生まれてくるのでは、という考え方が一般的です。

 しかしその人の運命と、運・不運は別問題であり、九星気学や西洋占星術は、時として全く意味不明な回答を出すのは、これを混同し、先天的(親の遺伝)なものと、後天的(環境や境遇)なものを一緒くたにして考えているからだ、とこの誤りを指摘することが出来ます。
 特に、生年月日を占う占術の類は、同年同月日に生まれた人の運勢の違いを説明することができません。だから次の手法として、神秘的なものを持ち出してきて、霊能・霊感と称するもので逃げ道を考え出しました。

 占師の事務所などに行くと、よく神棚などが祭られているのは、占術で不足する部分を霊能・霊感で言葉を濁すという意味合いからであり、一種の逃げ道を象徴しているように思えます。
 確実に当たるものであれば、同年同月日に生まれた双生児など、全く同じ運勢でなければなりません。
 また惑星の位置や運行によって、人や国家の吉凶などの運命を占う占星術や、年・月・日・時間の四つの要素を干支と五行に当てはめて、その人の運命を占う四柱推命術は、その人の生まれた日によって占い、まことに大雑把であります。

 また占の類に問題があるのが時間差です。
 喩えば、日本と日本以外の外国で生まれた場合、同年同月日で同時間であっても、記録される生年月日は異なって来ます。一日違えば当然運勢も異なるはずです。
 もし、年・月・日・時間(秒まで含む)で占うとすれば、地球時間のそれでなければならなりません。
 また同年同月日で占う類は、各々の運勢が異なるのは、姓名が違うからだと答える占師もいます。

 人間が生まれるというのは、各々に異なった遺伝を父母や先祖から受け継いで、現世を修練の場として生まれてくるのです。一旦生まれた以上、親から受け継いだ肉体(生体)と、命体は先天的な素材であるので、作り替えることはできませんが、後天的には食改革で如何様にも作り替えることができ、ここに人間が生まれてくる意味を含んでいます。食養道の基本である食事法もその一つです。

 人生は二度繰り返さない、と言います。
 したがって悔いのないような人生を歩まねばなりません。こうした意味で、生まれてくることの意味、そして人生の意味を考えなければならない必要性が出てきます。
 次元の低い占いに頼り、他力本願的な人任せでは、人生は開けてきません。自分のことは自分でする、というのが宇宙の掟であり、これは何人も無視できない事柄です。

 それを考える上で、一番の課題となるのは「自分とは何者か?」ということです。人は自分を探すためにこの世に生を受けたのだ、と言うことが言えましょう。これは一生かかって取り組まなければならない課題です。
 その課題に示唆を与えるのが、大東流霊的食養道なのです。
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