稽古の見学



●体験込み見学について

 尚道館での見学は「体験込み見学」です。体験込み見学が可能な曜日と時間は、次の通りです。まず電話かメールで「見学日」を予約して下さい。
見学ができる曜日と時間

少年部PM6:00〜7:00一般部PM7:30〜9:00

少年部PM6:00〜7:00一般部PM7:30〜9:00

一般部のみ
AM10:00〜11:30

 以上のいずれかの曜日に「体験込み見学」を予約し、基礎的な稽古を体験しながら見学します。
 この際に質問事項などがあれば、自由に質問ができます。
 

体験込み見学について厳守して頂きたいこと
見学の心得:見学をされる方は、担当指導者に見学をする旨を願い出て、礼儀を正して見学ください。礼儀としては静坐(せいざ)で見学をお願いしますが、途中で足痛などが起れば、足を崩すことも許されます。
 ただし、 一番最初から、胡坐
(あぐら)などでの見学はご遠慮ください。また、喫煙しながらとか、飲み物を飲みながらの見学もご遠慮ください。また、小さなお子さんを連れての見学もご遠慮ください。

案内書配布:見学をされる方に対しては、わが流の案内書類を配布しておりますので、入門手続きなどに関しての詳細は、担当者にお尋ねください。

ご注意:「電話」か「メール」で申込みをせずに、突然の来訪されることは固くお断りします。
 また、最初から入門する気持ちがなく、「ただ参考の為に見るだけ」などの見学も、固くお断りします。
  

 「十分に内容を確認する……吟味する」「石橋を叩いて渡る」「慎重な上にも慎重を重ねる」という事は、人生において非常に大切な事ですが、その度(ど)が過ぎますと、“いざ!”という時機(とき)の決断に疎(うと)くなり、優柔不断になって、迷いが生じ、大事故を起こしたり、大怪我をするという事になります。

 武術実践において「優柔不断」の、決断の鈍さは禁物であり、こうした性格の持ち主は、武術修行の適性が最初から失われています。寸時に判断をし、決断を実行する段において、優柔不断ですと、一瞬の判断に躊躇(ちゅうちょ)して、決定的な致命傷を負ってしまうからです。
 したがって尚道館では、誰でも入門できると言う安易な形での入門の姿勢はとらず、一応入門に際しては、「入門審査」を実施しているわけです。

 人生は、まさに決断を迫られる局面が何度か現われ、それを対処するか、否かで、その人の価値が決まります。
 尚道館では年齢に関係なく、誰でも入門できる可能性がありますが、その反面、優柔不断は、過去の経験から、多くの災いを背負い込んだり、凶(きょう)をもたらす人であるという事が判明しています。人生における不幸とは、こうした優柔不断が齎すものなのです。
 したがって優柔不断という性格は、生まれながらに禍根(かこん)を背負い込んだ人と言えます。迷い多き人が、このタイプで、生涯にわたって不幸現象に嘖(さいな)まされます。
 この意味で、優柔不断はお断りし、二度目以降の見学はお断りしている次第です。

 また、入門審査を受けたい場合は、見学当日に「入門審査日」を予約します。
 なお、入門審査の実施日は見学後、一ヵ月以内に受検しなければ入門の機会を永遠に失われます。

 今の時代は、10年前、20年前に比べますと、時代が大きく変ってしまい、また世の中は不穏な様相を呈しています。それに伴って、人の考え方も変り、悪しき個人主義が蔓延(はびこ)って、人心は荒廃していなす。礼儀は廃(すた)れ、傍若無人に振る舞う人が多くなってきました。これは非常に残念なことです。
 既に「お気軽でお越し下さい」ということが通用しなくなってしまった時代なのです。

 わが流は、「教える側」も人を選ぶ時代だと考えています。「習う側」が教える側を選ぶのではなく、「教える側」が、習う側を適当か否か選ぶ時代です。
 礼儀正しく、「もっと他人行儀で」という、礼儀の原点に立ち返る必要があるのではないかと考えております。



●見学をする時の心構え

 当道場では礼儀を第一とします。
 また道場と言う場は、修行の場、真剣勝負の場であり、厳粛(げんしゅく)かつ霊験(れいけん)あらたかな聖域(神聖な地域で、犯してはならない現世との結界)です。
 したがってこの場への出入りは、必ず一礼(平身低頭での礼)をもって、入退場をお願いします。

 また、稽古を見学する場合は姿勢を正して、「端座」たんざ/姿勢を正して静坐すること)をお願いします。胡座(あぐら)をかいたり、だらしのない姿勢での不躾な態度での見学は難くお断りします。
 但し、武術や武道に対してこれまで経験がない人は、長時間の静坐(せいざ)は無理と思いますので、出来るところまでやって、後は脚(あし)を一旦崩して、痺(しび)れなどが退(ひ)けば、またそこから静坐をするといった繰り返しで、謙虚な態度で見学をお願いします。



●見学をする時の態度は、次の通りです


1. 見学をする時の態度は、定められた場所に、端座して稽古を見学しますが、足の悪い方、膝の悪い方などは長時間の静坐などが出来ないと思われますので、以降、自由な姿勢で見学を行っても構いませんが、寝転んだり、立ったり、腰に手を当てたり、腕を組んだりの横柄な態度は、不作法と非礼に当たりますので、御遠慮ください。

2. 見学の際は禁煙になっておりますので、見学中に喫煙したり、酒気を帯びての見学は御遠慮ください。
 また我が道場は、服装や態度のおかしい者に対しては、入館を禁じておりますので、こういう者の来館はお断りします。


3. 少年少女部を見学する保護者の方で、乳幼児や小さな子供さんを同伴する場合は、見学中に子供さんが騒いだり、道場内を勝手にうろつくような行動は差し控えるようにお願いします。
 また、お子さんが入門を希望される場合、ご父母の態度や言葉使いも問題となりますので、不適当と思われるご父母の子弟の入門はお断りします


4. 数人で連れだって見学する場合は、稽古をしている門人に対し、猥(みだ)りに批評したり、嘲笑したりの非礼は慎んでください。
 喩
(たと)え武道経験者であっても、安易に批評することは禁物であり、また尚道館では、過去にどのような経験や経歴を持っているなどは、一切問題にしません。
 問題なのは「今」であり、過去の栄光に執心する人は、既に前進が止まっている人です。「昔はおれも……」などと言う人は、もう先の見込みがない証拠だと言えます。
 人間は謙虚な態度を忘れてしまったら、もうその人は進歩が止まった人であると言えます。「今」を真剣勝負で生きている人は、過去の事を思い出している余裕はない筈ですし、昨日の栄光は絶対に返ってこないということを知っている人です。謙虚であればあるがほど、頭は自然と垂れるものなのです。


5. ただ見学(敵情視察や内情調査を目的とした見学など)をして見たい。あるいはどんなものか、内容を確認したいという方の見学はお断りします。
 また他流派からの、意図的な儀法見学などについてもお断りいたします。見学は、あくまでも入門希望者が対象となりますので、視察などを兼ねた見学をお断りします。

6. 「雀百まで踊忘れず」との諺(ことわざ)通り、長い間に染み着いた固定観念や先入観、悪習や悪癖(あくへき)は、一朝一夕(いっちょういっせき)に、簡単に変わるものではありません。こうした世襲の垢(あか)に染まり、塵芥(じんかい)に覆われた人は、自戒心が希薄で、簡単に改めることが出来ません。

 結局駄目な人は駄目であり、時間の浪費と無駄なエネルギーを使うことになり、迷惑を懸けるばかりの類
(たぐい)です。
 道場で人の道を教わり、その道を極め、求道者
(ぐどうしゃ)として邁進(まいしん)するためには、教示を教わる素直で謙虚な心が必要であり、また「礼節謙譲」れいせつけんじょう/礼儀と慎み)は、人間として必要不可欠となります。こうした謙虚で慎み深い人は、神仏などの前に対しては自然と頭を下げるものです。これは畏敬(いけい)の念がそうさせるのであって、尊いものに対して畏敬の念が働かない人は、その資格が最初からありません。



●現代に生きる武士道精神の具現を目指す

 西郷派大東流合気武術は、旧会津藩家老・西郷頼母の霊的神性を現代に伝承するものです。この会津藩伝承の武術の格式は高く、殿中作法(御式内/おしきうちなどを含み、これらは一朝一夕に編纂(へんさん)・完成したものではありません。この武術は数百年単位で、無名の多くの研究者によって完成されたものです。

 それだけに、その指導は厳格であり、真剣勝負的なものが要求されます。
 これまでに無数・無銘の先達の教訓や秘伝が織り込まれ、それを武士道に照らし合わせて、現代に具現するものです。

 またそれだけに、秘伝を習う者には、当然のように義務と責任が発生します。尚道館ではこの秘伝を後世に伝授するに当たり、それに相応しい人だけを厳格に審査し、人格と人間性本位で、その資格のある方のみを門人としています。
 パーソナリティー(personality)の崩壊した人に、その資格はなく、個人の統一的かつ持続的な特性を持った方のみがそのステータス(status)の資格に値します。

 以上の教示をご理解の上、謙虚な態度をもって、斯道(しどう)に至っては慎み深く、どうか非礼のない態度で見学をお願いします。