会員の声と相談者の質問回答集3



霊性を高めるにはどうしたらよいか (無料相談室宛 27歳 女性)

 霊性を高めるには、かねがね玄米雑穀菜食が良いと聞いていましたが、現在、潰瘍性大腸炎を患っており、玄米や雑穀だと腸壁を刺激するので、炎症の再発につながり、食べられません。大変に残念です。

 ふだんは、白米のお粥に高野豆腐、ブロッコリ、蒸かしジャガイモや大根おろしなどの根菜類、ひきわり納豆、白身の煮魚の魚肉などを食べています。海草類や、きのこ類も消化できないので、食べられず、お味噌汁に入れて、だしが出た汁のみを飲んでいます。

 こうした食事では、霊性は高められないのでしょうか? ほかにできること、取り入れられることがあれば教えてください。



回 答

 潰瘍性大腸炎は、現代医学では「原因不明」の病気とされている。一種の不治の病だ。
 この病気は、大腸の粘膜(腸管や腔所の内面を被(おお)う柔らかい湿った上皮で、常に表面に粘液を分泌している)および粘膜下組織にびまん性炎症、糜爛びらん/ただれること)・潰瘍形成などを来す疾患であり、中々厄介な病気である。

  また潰瘍性大腸炎はその種類に応じて、直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型、右側または区域性大腸炎型に分けて、それぞれの箇所で専門治療が行われている。多くの場合は、慢性的になって経過し、防禦(ぼうぎょ)反応とともに悪化と軽快を反復するが、恢復(かいふく)をしながらも徐々に悪くなって行くと言う傾向を示す。

大腸の構造図

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 その症状の多くは粘液血便(粘り強い流動状の血液の混じって出る糞便)、腹痛、下痢等を訴え、これは激化するとガン化(大腸ガンを中心にして、直腸ガンや結腸ガンになる場合が多いといわれる。また、粘膜ガンに進行する場合もある。粘膜ガンは粘膜上皮に発生したガンが粘膜にひろがり、粘膜内にとどまその付近の細胞をガン化する)する恐れがある病気で、現代医学ではその病因は、全く不明という事である。

 しかし病因が不明と言っても、結果としてこうした症状が顕(あら)れた場合、現象人間界では、結果に応じた原因が過去に派生していたのである。この事を、まず忘れてはならない。

 さて、内臓に発生する内因性の病気の多くは、慢性化した事から起る炎症である。
 「腸造血説」では、血液の汚れが元凶と考えている。その元凶こそ、慢性病の根源である「炎症」なのだ。

 では何故、炎症が起るのか。
 それは細菌感染をはじめとして、化学的作用または物理的作用などによる細胞組織の傷害に反応して、身体の一部に発赤はっせき/炎症などで、局部が充血し赤くなること)や腫脹しゅちょう/腫瘍(しゆよう)・炎症または充血・液体の貯留などにより身体の一部が腫れあがること)、疼痛とうつう/ずきずき痛むこと)や発熱などを起すこと、及びその症状が「炎症」の正体である。

 一方、細菌感染等により、有害な異物の侵入または、組織内に異物化した組織を排除しようとする生体の防禦反応が、また炎症を起こすのである。そして炎症を起こす元凶は、血液の汚れである。ガン細胞も血液の汚れから起る。

 ガン細胞は、ある日突然に生じるのではない。長期に亙(わた)り、不純な血液が、生体を病的な状態にしてしまうのである。過去の食生活の結果から生じた事が、その病因の元凶だったのである。
 血液が汚れ、不純な血液が造られるのは、此処に至るまでの食生活の誤りがその病因を造り出した「元」である。この「元」の原因を取りの除いてやらねば、腸壁を傷つけないような食事をしても、自然治癒力で治す事は出来ない。むしろ、気遣って腸壁に傷をつけない食品ばかりを摂取していると、この病気は悪化するばかりである。

 《癒しの杜の会》では、食生活を根本から改める食餌法を指導するが、同時に、正常細胞が病変し、炎症からガン化する流れの中で、そこに一種の悪因縁が発生していると捉える。つまり憑衣現象(邪気や外邪の乗り移り)が起ったと捉えるのである。
 これが憑衣であるから、現代医学の、可視(肉眼で確認出来る)世界を捉えて医療検査をするレベルでは、不可視世界の霊的現象が確認できないのである。
 だから「原因不明」としているのである。この点を充分に念頭に入れておく必要がある。

 まず、炎症を消滅させて行く方法を、食餌法(しょくじほう)と共に実践される事が宜しかろう。


【その1】水を選べ。
 食餌法実践の原点は、まず水の良し悪しで決まる。
 今日の地球環境は酸性雨や産業廃棄物、更には農薬等で地下資源が汚染されている現実がある。単にこれ等の毒を避けて、消極的に「健康を守る」という考えでは、真の健康を守る事はできない。家庭の蛇口から出る水道水から有毒物質を除去した上で、更に、健康に積極的な考え方を取り入れて「水を改良する」という考え方の上に立たなければならない。

 その為には、浄水器にプラスされた「水の電気分解」の機械(水の電気分解によって得られるアルカリイオン水や台所の蛇口に繋ぐ浄水器)などを取り付ける事も一つの方法かも知れないし、ペットボトル詰めの飲料水を購入する事も一つの方法であろう。

 しかしこれ等の水対策も、決して安全とは言えない。それは製品化の行程を見て行く上で、その処理法に問題があったり、製造側のご都合主義が働いていて、至る処に安全を軽視する考え方で製造されていると言う事実があるからだ。
 例えば、浄水器に於ては、濾過能力(濾過の基本構造は水道圧を利用し、活性炭による濾過と、高密度繊維による濾過)が使用経過と共に低下したり、浄水器としての能力が最初から低かったりと、多くの問題も抱えている。
 しかし水道水を、その儘の状態で使用する事に比べれば、まだ幾分増しであろう。

 既に日本でも、これまでは「水と安全はタダ」という神話があったが、もうこうした考え方も金繰り捨てなければならない。
 今日の日本の水道水にしても、土壤汚染により、年々悪化している。水道水に投入されて、家庭の蛇口から出る塩素を含有するこの水は、衛生上「塩素濃度が0.1PPM以上」と定められているのである。その為に、人体には不都合な働きをしているのである。こうした水を使うと、食品の中に含まれる多くのビタミン類を破壊してしまう事である。

 そこで現在では、「電解イオン水生成器」という、水道水をフィルターで濾過(ろか)した上で浄水を行い、更に「アルカリ性イオン水」と「酸性イオン水」を造る装置である。こうした装置を設置する事も一つの手であろう。
 しかし購入に当たっては、悪質な業者も少なくないので、浄水器の購入については複数の業者から見積もりをとり、性能等についても充分に説明を受ける事だ。日本と言う国は、消費者が騙される「騙され王国」という事を忘れてはならない。

 さて、今日の地球では環境汚染が進み、食品ばかりでなく、生命の根源である飲料水にも安全と安心を脅かす、元凶の触手が伸び始めているのである。安全で、安心して飲める水を探す事も、現代人に課せられた一つの徒労なのである。かつて水を汚染させたツケが廻って来たからである。

 そして、人間の腸の構造を考えた場合、これは植物における「根の構造」と全く同じであると言う事に気付かされるのである。
 それはもしあなたが、毒水を飲み続けて、農薬に守られて育った米や、均整のとれた美しい色をしたトマト・レタス・キュウリ・茄子(なす)その他の温室育ちの緑色野菜や、あるいは食品添加物たっぷりの舌触りのよい食品を毎日食べ続けたらどうなるだろうか。
 あなたの消化器官内は、腸内微生物が暮らし難い環境になりはしないだろうか。


【その2】の平安と静寂を求めよ。
 生存環境が悪化すると、地球上の多くの生物は、腸内微生物に混乱が生じて来る。この混乱によって、死滅する腸内微生物も数を増す。またこれによって暴動が起きる。暴動が起これば、多くの生物に見られるように、「善と悪」や「陰陽」の中庸バランスが崩れ、共食いが始まったりする。
 更に雄・雌の異性間の正常関係が狂わされ、同性同士が結びついて、一定量以上、増殖してはならない連中までが増加する現象が起る。これらはマウス実験などでも見られ、これを超小型の世界に置き換えたのが、腸内微生物の世界である。
 これは人間社会でも同じであろう。

 物質至上主義が持て囃(はや)され、物質一辺倒、科学一辺倒になって来ると、社会構造全体の遠心分離器化した器の回転数が高速化する。高速化すれば、そこから弾き出される者が出て来る。常識とは異なった考えの者が出て来る。これまでの秩序を破壊しても何とも思わない者が出て来る。その結果、常識は一変する。愛情の表現も変わる。必ず同性愛現象が起って来る。これが現代社会の恥部とも云うべき「ホモ増加現象」だ。彼等は市民権を求めて運動する。これにより畸形(きけい)なる思考が常識化する。
 これは現代人が、腸内微生物と同じような環境に置かれている事を物語っている。

 物事の善悪が崩れ、陰陽の中庸バランスが崩れ始めている、人間社会の今日の実情を見れば、人間社会も、腸内の微生物世界と同じ事が繰り広げられていると分かる。人間社会でも、腸内の微生物世界でも、これまで、底辺を支えていた「愛すべき庶民的微生物」の数が激変している事である。腸内微生物の生態系に、異常事態が発生している事である。
 つまり、これが「腸内異常醗酵」である。
 愛すべき庶民的微生物は、腸内異常醗酵によって苦しめられ、苛められて、テロや暴動によって、次々に抹殺されているのである。

 昨今の人間社会での不穏を呈する世情不安は、まさに腸内微生物の世界と全く同じの、生態系の異常と看做(みな)す事が出来る。
 この生態系異常は、腸内での発生する異常醗酵の、大量のガス化である。これにより放屁(おなら)も臭くなり、大便も臭くなって、便秘や下痢と言う異常現象が起る。こうした状態が、現代人の腸内で激化し、異常醗酵化し、日常化しているという事だ。
 そして不快な悪臭の根源は、食肉や乳製品、肉加工食品が齎(もたら)す、人体に有害な動蛋白である。

 悪臭の最大の原因は、硫化水素(鶏卵のような悪臭を持つ可燃性の毒性気体)、アンモニア(窒素と水素との化合物で、刺激性の悪臭ある無色の気体)、フェノール(特有の臭気をもつ無色の結晶で有毒)、インドール(不快な臭気をもち糞に含まれる)などの有毒物質であり、動蛋白によって持ち込まれた腸内微生物群は、環境の悪化で起こした時に生成される物質である。ガン患者の放屁や大便は非常に臭いものである。

 これは腸内異常醗酵によって、動蛋白や水道水などの有毒物質が過剰に生成され、その結果として元凶が顕われたものであり、これ等の有毒物質は、やがて腸壁から吸収されて、血管に入り、門脈(毛細血管から移行した静脈が再び毛細血管に分れるもの)と肝臓のチェックを旨く潜り抜け、これが各臓器の隅々にまで運ばれてしまうのである。そしてそこで炎症を起こし、「ガン化」するのである。

 臭い放屁、臭い大便は腸内で異常醗酵が起っている証拠である。これは消化器官内部で、実に多量多彩な有毒物質が生成されていると言う証拠でもある。

 夜の喧騒や、激しいビートのロック音楽等に曝(さら)されるような生活をしていると、心の平安は崩され、静寂な静けさは乱されて、慎みを忘れた食生活は、やがて動蛋白を中心とする暴飲暴食に走ってしまうのである。


【その3】胚芽欠乏食が何を齎すか知れ。
 現代人の食事の三本柱にっているものは、「白米」「食肉」「白砂糖」である。これらは何れも、人体の生理機能を根底から狂わす元凶である。
 多くの現代人は、今日の食生活の食事の三本柱になっている「白米主食」「食肉礼讃」「白砂糖甘味」が、何故いけないかという事を充分に理解しなければならない。
 まず白米は、玄米と異なり胚芽欠陥食品である。

 胚芽は不飽和脂肪酸(炭化水素基に不飽和結合をもつ脂肪酸で、天然油脂や蝋(ろう)の成分として広く分布し植物油に多く含まれる)、ビタミン(動物の栄養を保ち成長を遂げさせるに不可欠の微量の有機物の総称)、ミネラル(栄養素として生理作用に必要な無機物で、カルシウム・鉄・亜鉛・コバルト・マンガンの類を指す)、酵素(生体内で営まれる化学反応に触媒として作用する高分子物質で、生体内で物質代謝に関与する)の宝庫である。
 更に体躯(たいく)を中庸(ちゅうよう)に導き、安定させる働きを持っている。しかし今日では、胚芽部分をすっかり削り落してしまって、複合炭水化物食品である玄米や玄麦が、白米や白パンに変わってしまっているのである。
 実に「白米病」の元凶は、此処に隠れ潜んでいたのである。
 白米病の最悪の病因は、ビタミンB群の欠乏である。これが不足すると「脚気(かっけ)」になる事はよく知られているが、脚気防止にパンを食べればよいという事で、安易に片付けられる問題ではない。

 ビタミンB群が欠乏すると、脳や神経系に不測の事態を齎(もたら)し、ボケ症状(老人性痴呆・麻痺性痴呆の類)や精神障害や神経症を招き寄せ、他にも胃腸障害や自律神経失調症などを招く。更に早老現象が起り、正常細胞がガン細胞へと変質する。

 したがって胚芽食品は「食の基本」となる。
 玄米や雑穀(豆・蕎麦(そば)・胡麻・粟(あわ)・稗(ひえ)・赤米・黒米・黍(きび)・玄麦)を中心とした食餌法を「正食」とする事である。これ等を主食に野菜類、海藻類、小魚介類を副食とする事だ。
 そして一日二回(朝食は摂らず、昼食と夕食だけの一日二回食。朝は排便タイムなので、食事はせず、液体の野菜ジュースか果肉汁を飲む)の粗食小食に徹する。
 これこそが「霊的神性を高める」食材であり、これを遣って一食ごとに一汁一菜を作り、これを「よく噛む」ことである。

 霊的には、「噛めば噛むほど神になる」のだ。
 神は「噛み」に通じ、また神は「火水(かみ)」でもある。上顎の歯を「火」、下顎の歯を「水」として、噛めば噛むほど、唾液が混ざり合い、万病の予防になるエキスを体内に送るのである。だから「ペースト状」になるまで噛めば、決して腸壁を傷つける事はない。
 また、玄米をペースト状の「クリーム」にして食べる方法もある。
 とにかく、よく噛むことだ。よく噛む人間に病人は居ない。よく噛む人間に智慧の働かない者は居ないのである。よく噛む事で、思考力も記憶力も増すのである。


【その4】動蛋白を避けよ。
 次に食肉の元凶を忘れてはならない。
 肉は、決してスタミナのモトではない。
 血液を酸毒化し、コレステロールを増大させて動脈硬化を引き起こす元凶だ。しただってこうした酸性食品にスタミナを誘引するような効果は全く無い。「スタミナがつく」という必要十分条件は、血液が弱アルカリ性(生理的中性)の時で、しかも動脈がしなやかで、更に血液がサラサラ状態の時に限り、これが満たされる。

 食肉食品は腐敗する食品である。
 肝臓病や腎臓病、心臓病や不妊症、精神分裂病や神経症、胃腸障害や高脂血症(血液中の中性脂肪やコレステロールが増加する疾患)などになっている人は、食肉の弊害であり、「肉は腸内で腐る」という現象が、こうした病因を招いたと言える。

 人間は元々草食性動物である。穀菜食をする動物である。こうした動物が、肉食獣的の真似をして、正常で居られるはずがないのだ。穀菜食性の人間の腸では、肉食獣的と同じように、肉をスムーズに消化処理できないのである。この点は、乳製品や卵類も同じである。こうした動蛋白食品は、「腸内で腐る」という事を覚えておかなければならない。

 では、腐敗するとどうなるか。
 動蛋白に含まれるアミン(食肉には人体に有害な二級アミンが多く含まれる)、アンモニア、硫化水素、馬尿酸(生体の窒素代謝の産物として尿中に存する)といった腐敗物質が血中に持ち込まれる。これを含んだ血液が躰(からだ)を一順し、停滞したところの組織に取り憑いて、組織に異常刺激を与え、炎症を起こし、その炎症が成人病やその他の難病に発展させる。現代病の発生のメカニズムは、およそこのようになっている。

 更に白砂糖は、生理機能を根底から揺るがす。また体組織を弛(ゆる)める働きがある。その結果、頬、顎、腹部、脇の下、大腿部に中年太りが顕われる。
 更に便秘症になる。皮膚や爪や歯が弱くなる。反射能力が鈍くなる。うっかりミスを冒す。注意力が緩慢になる。また骨粗鬆症(骨が萎縮し、もろく折れ易くなる状態で、老人、閉経後の女性、ステロイドの過剰投与後、長期の安静や固定後などに起る)などの、骨内のカルシウムを大量に消費させるという元凶を持っている。

 白砂糖はケーキやチョコレートばかりでなく、調理に使われる煮物のタレ類や、蕎麦(そば)や素麺(そうめん)のツユにも大量に使われている事を忘れてはならない。
 蕎麦が健康に良いからといって、ツユに浸けて食べる蕎麦屋の蕎麦も、年から年中食していれば、問題であり、これらは一定量以上を食してはならないと言う事である。


【その5】食の陰陽を知れ。
 人間は本来、食性が穀菜食性なのであるから、魚など食べなくても良さそうなものであるが、魚には多くのミネラルが含まれている。それは海と大いに関係がある。
 地球誕生以来、陸地は雨に洗われ続けて来た。大地のミネラルは海へと流れ、海水に溶け込んで行った。

 大地のミネラルを確保する為には、小魚と海藻と、海水で採取した天然の自然塩が必要となる。
 魚介類も、海藻類も、自然塩もミネラル源としての重要な役割を果たしている。
 塩も、全くの自然塩でなければならないし、ワカメや昆布も加工法に問題がなければそれでよい。

 ところが魚だけは、その種類と大きさに問題がある。
 「丸ごと食べられる」と言う事が条件となる。したがって「小魚介」でなければならない。魚の身にはミネラルは殆ど無い。ミネラル分は、魚の皮や頭、尻尾やヒレの部分、骨などに多く含む。したがってこれ等は、「丸ごと」食べられなけれならない。形からして、「掌(てのひら)サイズ」が条件となる。

 そして貝類も多くのミネラルを含む。
 貝類には、微粒元素と呼ばれる銅や亜鉛などの微量なミネラルを含み、これらは自然治癒力を高める重要な役割を果たす因子である。これらは形の大小を問わず、摂取したいものである。

 生物は進化の過程から見て、下等な海中動物こそ、その体型が均質になっていて、多くは非常に良い拮抗(きっこう)を保っている。この拮抗こそが、バランス食の根源となるものである。バナジウムなどの微量元素も保有しているので、是非食したい食品である。
 また自然塩を同時に摂取できるものとしては、魚卵類、くさや、烏賊(いか)の塩辛、小魚の内臓の塩辛などがある。なお、塩の原料は天然塩であることが条件。

 また魚介類は体質を陽性化する食品であり、現代人には非常に重要な食品である。慢性病になったり、無気力になったり、精神障害を起こすなどの現象は、体質が陰性化する事から起る。陰性化の体質には陽性化に導く手段として、魚介類の補足を御薦めする次第である。

 つまり、主食を玄米穀物にして、これを「正食」とし、副食を、体質の偏りから改善させる陰陽のバランスを考え、体質の「中庸化」を図る事である。これこそが「真のバランス」であり、生体機能としての順応性を高めるのである。

 そして私たち人間が、忘れてはならない事は、「自分の物」は、現象人間界では一切ないのである。
 この現象界では、自分の物と思える、自宅もマイカーも、家族も地位も、妻子や自分の肉体すらも、自分の物ではないのである。自分の物は何一つない。したがって食べ物においても、これは神から許された食物だけが、自分が食べていい食物となる。

 しかし、火水は動物を食べる事を許してはいない。動物は保護される生き物だ。保護されるべき動物を、人間は食べるべきではないのである。動物は人間が保護するべき媒体であったはずだ。それは仏教の教えを見れば分かる。教典にもそう書かれている。これを食して、肉体を養生(ようじょう)してはならない。また、食したところで、養生にはならない。

 人間に許された食べ物は、大地から収穫された植物と、近海で採れた魚介や海藻類だけである。それ以外のものを無理に食べる必要はないのである。

 そして食べ物達が捧げてくれた命を、人間は「頂く」のである。食べる時に合掌して「頂きます」と云うのは、命を捧げてくれた食べ物達に対しての感謝の言葉である。
 こうして人間は生かされているのである。こうして生かされている事を「他力一乗(たりきいちじょう)」と言う。その「生かされている」と言う事自体、人間は自分の力ではなく、天によって生かされているのである。生かされているから、「他力一乗」なのだ。

 人間は決して自力で生きているのではない。自分の位置だけでは、「一秒」と生きていられないのである。天の恵みを受けて、「生かされている」のである。これを自力で生きていると自惚れてはならない。生かされているから、自分の肉体すらも、大事に遣い、粗末にしてはならないのである。自分の肉体すらも、天からの「借り物」なのである。借り物は、やがて返さねばならない時がやって来る。

 そして充分に生きたら、自分の肉体は、やがて「お返ししなければならない時」が来る。それが「肉体の死」である。

 自分の肉体は、やがてその一切を、神に「お返し」しなければならない時が来る。
 「借りた物は返す」と言うのが、この現象界で生きる者の任務であり、一切を、「総て返す」という中に、本当の魂の目的がある。借りた物は、次々に返していくのである。

 しかし、問題になるのは、その「返し方」だ。
 病気で穢(けが)し、不注意で、ボロボロにした肉体を、返しても、果たして神は喜ぶだろうか。「よく遣った」という肉体は、「酷使した」という肉体とは違うのだ。

 「よく遣った」という肉体は、「大切に遣った」という事であり、不注意と不摂生でボロボロにし、傷だらけにし、病気で穢し、病魔に冒(おか)された、そうした物とは違うのである。その上、精神障害を煩(わず)って、憑衣だらけになった肉体を返しても、神は喜ぶだろうか。

 「美しく老い」かつ「美しく枯れた」肉体を、「よく遣った」というのだ。
 果たして、あなたは、自分の肉体を大切に遣っていると云えるだろうか。美しく遣っていると云えるだろうか。

 潰瘍性大腸炎を起こすぐらいだから、それは「酷使してあまりなかった」のではないか。この点を大いに反省し、新たに出直すべきであろう。
 人間は「これからやり直そう」と思った途端、それまでの犯したあなたの罪業ざいごう/この場合は、あなたが潰瘍性大腸炎で大腸を穢したこと)は、半分消滅した事になる。これを「発心(ほっしん)」と言う。後は、これを最後まで諦めずに「成就」させるだけの事だ。

 そして、後の半分は、「成就」に専念する事だ。
 自他の垣根のなくし、自他同根の意識をもって、自他の隔たりをなくし、他人に対し、どれほど「慈愛の念」を抱けるかと言う事が、残り半分を清算する手段となる。
 「これからやり直そう」とする思いに、「遅い」という事はないのである。