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●霊的食養食品としての玄米
 
 玄米は生きている「お米」です。
 様々な超能力にしても、玄米を正食にしてこうした能力を培った人は、かつて多く居ました。
 それは、玄米自体が霊的な要素を包含しているからであり、こうした要素に、自己の潜在脳力が反応するメカニズムを有しているからです。これこそが超能力発揮の構造であり、一方において、肉を食らい、酒を飲み、物財で我が身を取り巻き、高級毛皮製品や羊毛製品で身を包み、高級車を乗り回し、妾(めかけ)を侍(はべ)らせるといった、新興宗教の教祖に、どうして超能力などありましょう。

 もし、彼等にこうした能力があるとするならば、これは自らの魂を悪魔に売り渡し、黄金の奴隸になることによって得た能力であり、本来の超能力とは似ても似つかないものです。
 本当の超能力者は、まず吾(わ)が身を摂生し、物財の一切を自分の周りから遠ざけます。自分の身の周りに高級品や、黄金の大仏等を置いて、これを信者に自慢するような新興宗教の教祖や、巨大な神棚を祀る神道系の教祖は、紛れもなく黄金の奴隸に成り下がった人種であり、どうして彼等が生き神等であり得ましょう。

 さて更に、玄米の不思議に迫りましょう。
 玄米と僅かな副食だけで、栄養状態は大丈夫なのだろうか、あるいは健康を害することがあるのではないかと、心配している人が居ると思います。しかしこれだけで大丈夫です。
 何故ならば、玄米食は身軽に行動出来る「仙人食」であり、低カロリーですが、その人間が行動する上の一切のエネルギーは、総てこの中に含まれています。

 これを裏付ける話があります。
 それは、大戦末期から敗戦にかけて、母乳の出ない母親が、我が子を育てる為に、農家を尋ね歩き、着物や装飾品等を引き換えに、それを米や大豆と引き換えにしました。欲張りの農家の主人は、高価な着物と高価な指輪等の装飾品を僅かばかりの米と大豆に交換してくれました。その上、米は精白した白米ではなく、意地悪にも食べ辛くて固い、玄米でした。

 母親は仕方なくこれを持ち帰り、その交換した玄米と大豆を臼(うす)で碾(ひ)き潰し、粉にしてこれを水で溶いて、我が子に飲ませました。誰もがこうした事で、まともに育つはずがないと思っていたのです。しかしこの母親は、こうした窮地に立たされた状態にも必死に耐え、見事に我が子を育てたのでした。

 よく、玄米は不味(まず)いと一蹴され、特殊な圧力釜がいる等と思っている人が多いようですが、現在では圧力釜ではなしに、普通の電気釜でも水を多め(通常の二倍)にすれば炊く事が出来、普通の鍋でも水を三倍にすれば炊く事が出来ます。

 また、玄米には表皮に農薬が付着していて有害である等という人が居ますが、玄米自体に農薬を排出する効果があり、農薬と玄米の因果関係は成り立ちません。
 現代栄養学者達は玄米に含まれている水銀等の公害物質を指摘し、玄米食は非常に危険であると論(あげつら)います。しかしこれは非常に愚かしい、単純な機械論です。

 生きている人間の躰の中で起こっている生物現象は、そんな論法では簡単に説明出来ません。
 実際に統計をとってみますと、公害摂取量の多いはずの玄米を食べている人の方が、白米だけを食べている人よりも、体内にはかえって公害蓄積量は非常に少ないのです。

 この事実は毛髪分析によって明確になっており、それと言うのも玄米には公害物質の排泄作用があるからです。
 喩えば、玄米に多く含まれるフィチン酸は放射能物質や重金属類を排泄し、これを体外に出してしまいます。その上、こうした公害物質は勿論の事、そのたの公害物質とも良く結合する性質を持っており、公害物質を総て絡め捕って、体外に排泄してしまうのです。

 更に、このフィチン酸は、野菜摂取等のアルカリ性の条件の中で非常に活発に働きます。その結合率は、pH7(中性)では約80%ですが、pH8(アルカリ性)では約100%になると言われています。

 また例え、公害物質が血液中に吸収されたとしても、玄米には強肝・強腎効果があり、公害物質は速やかに排泄されてしまいます。この事からしても、玄米は卓ぐれた抗公害食品と言う事が分かります。

 しかしこうした効果は白米にはありません。それどころか、血液性状を混乱させて、消化機能を狂わし、肝臓や腎臓等の解毒機能を弱めます。こうした解毒機能が弱まりますと疲れ易くなり、何事も無気力になって、事なかれ主義に流れます。こうした精神状態になるのは、自律神経や内分泌機能がバランスを失い、それが精神状態に大きく関与しているからです。

 白米は公害物質を取り込み易く、それに伴って、食肉や乳製品が加わりますと、公害物質の蓄積量は増加する一方になり、これが排泄されないまま、代謝機能を弱めて、ガン等を発病する病因を作ります。



●玄米には放射性物質を除去する働きがある

 玄米については更に、探究のメスを進めて見ましょう。

 玄米成分の中に、フィチン酸という物質が含まれている事は、既に述べた通りです。
 このフィチン酸は、放射能等の影響で発ガン性物質を、体外に排泄する作用をもつ物質が含まれている事を今まで述べてきました。

 さて、これを実証を裏付けする人達を、広島・長崎の原爆被爆者から探して見ましょう。
 この証明は、太平洋戦争末期、広島と長崎で被爆体験をした、各々の被爆者のうち、日頃から玄米食をしていた人達によって証明されています。

 当時七歳で、昭和20年8月6日、広島市内で被爆した平賀佐和子さんは、爆心地から僅か2キロの距離にいて被爆しました。
 ところが佐和子さん、日頃から玄米菜食の食生活をしていた為、被爆後、一時的に急激な変調を躰に受けたものの、やがて健康を取り戻して、通常の生活が送れるようになりました。

 その後、結婚して、七人の子供を産みましたが、原爆症等の後遺症は殆ど無く、また子供にも、遺伝による放射能被害はゼロという事で、以降元気な生活を送りました。
 原爆症の多くの女性は、子供が産めない躰になります。ところが佐和子さんは、日頃から玄米食を実行しており、玄米に含まれた、生殖機能を正常に保つビタミンEの豊富な恩恵と、フィチン酸の放射能排除の作用を受けて、子宝に恵まれたと思われます。

 さて原爆症とは、広島・長崎の原子爆弾被爆によって人体に生じた病症を言います。
 この病症には、急性傷害と後障害とがあり、前者は原爆外傷や原爆火傷の他に悪心(おしん)・嘔吐(おうと)・白血球減少・出血傾向・脱毛・貧血・発熱・口腔咽頭病巣・続発的感染症等の放射能による傷害が著しく現われます。

 また被爆による火傷は、ケロイド(Keloid/皮膚の創傷や、火傷の痕(あと)にできる瘢痕(はんこん)が異常に増殖して隆起したもので、原因はいまだに不明とされている。一説には体質によるものともされる。原爆被爆者にこれが多発した)が現われ、更に眼の障害には、白内障が多発しました。
 後障害としては白血病(白血球の腫瘍性増生を来す疾患。急性・慢性、また骨髄性・単球性・リンパ性などの別がある)、種々の悪性腫瘍、発育障害、胎内被爆による小頭症、諸種の健康障害等が挙げられます。

 また昭和20年8月9日、長崎で被爆した、当時、長崎市内で医院を開業していた医師の秋月辰一郎さんは、原爆投下直後に、もろにその爆風を受け被爆しました。躰の至る処を火傷し、負傷しましたが、日頃から玄米菜食をしていた為に、一命を取り止め、長寿を全うしました。
 医師の秋月さんは、原爆直下で被爆しながらも、その火傷がケロイド状態にならず、通常の火や熱湯などのように、皮膚が熱に触れて傷つく状態の火傷だったそうです。

 また被爆直後、被爆した市民の看護の為に、看護婦を連れ立って、被爆者の看護に当たりましたが、看護婦達も、日頃から玄米菜食であった為、放射能被害を、全くといっていいほど受けずに済みました。この事は、玄米放射性物質を速やかに解毒排泄する作用が働く事を、雄弁に物語っています。
 次の世代を世に誕生させるといった、玄米の種子には、もともと放射性物質や重金属などの有害物質を排除し、はね除ける能力があり、人類が生命活動を押し進めていく為に、その能力がおのずから備わっている食品であるといえましょう。

 こうした能力は、白米には存在しません。白米に、放射性物質や公害物質を除去する力はないのです。
 それどころか、血液性状を根底から狂わせて、混乱を招き、消化機能を失墜させる元凶しか持っていません。その上、肝臓や腎臓などの解毒機能を弱め、糖尿病を招いたり、自律神経や内分泌機能の拮抗を失なわしめて、公害物質や放射性物質を蓄積し、発ガンの要因を作ります。

 そして放射能の恐怖は、何も核爆弾によるものだけではありません。
 例えば、原子力発電所にミサイル弾道を打ち込まれた場合、これだけで広島型原爆の数百倍にも匹敵する破壊力が生まれるのです。私達はこうした核施設と同居している事を忘れてはなりません。


 私たちの身の周りには、暴力や交通事故等の外的な圧力ばかりでなく、口から内側へと入り込んで来る食品公害物質にも「防禦」の備えをしておかなければなりません。
 そうした内面的な備えにも、また霊的な備えにも、玄米は理想的な食品であり、舌触りを求めて食べるのであれば、水加減で美味しく炊くことも出来、また食事療法などの治療食として食べるのであれば、これを玄米粥にしたり、更にすり潰しクリーム上にして、これを食せば薬以上の大きな効果が得られます。

 こうした状態にしても玄米の表皮は、消化されずに体内に吸収されることはなく、総て排泄されます。またこれが排泄される際、胸壁にへばりついている、宿便も一緒に持ち去り、排泄されますから、無理なダイエットをして苦しむ必要がありません。

 また玄米には農薬に含まれる重金属等を排泄する働きがあり、水俣地区で、玄米を食べていた家族だけが、水俣病に罹らなかったとか、カネミ油症事件で問題となったライスオイルの脂汗を使いながら、その家族の中で一人だけ美容食として玄米を食べた居なかった娘さんが油症の被害者にならずに済んだと言う話が多くあります。このように玄米には、公害物質を排泄する大きな効果を持っているのです。

 さて今日、原爆より一番恐ろしいのはレントゲンです。病気の検査や検診で使われているレントゲンは放射能です。
 日本人は世界でも、有数な核アレルギーをヒステリックに叫ぶ国民です。非核三原則を掲げ、核装備や原子力発電所や原子力船の建造については、そうしたものについて反対を唱え、何処かで少しでも放射漏れなどの自己が起こると、極めて敏感な拒否反応を示します。毎年、原爆が投下された広島・長崎の原爆記念日には大勢が詰め掛け、死者の霊に対して追悼の黙祷を捧げます。

 しかし核アレルギーな国民も、医療界で無差別に使われている放射線使用については、至極寛大であり、こうした国民の無知に付け込んで、医療界では無反省に放射線照射が行なわれています。
 また、助からないことを知っていて、後期の癌患者に対し、抗癌剤を投与したり、放射線を照射して、かえってカンカンじゃを苦しめている現代医学の遣り方に、どうしても大きな疑問を感じます。

 レントゲンにはストロンチウム(strontium)90という放射性物質が含まれていて、この物質は体内に留まり、体細胞を変異させ、子孫にまでその影響を及ぼします。ストロンチウムは鉱物の産出地であるスコットランドのストロンチアンにちなむものです。
 同位体(放射性をもつ同位体で、炭素14・コバルト60の類で、ラジオアイソトープなどで、これを利用して過去数万年程度までの年代を測定する)のストロンチウム90(半減期28.8年)は、核分裂によって生じ、人体に及ぼす影響が大きく、また、ベータ線源としても利用されています。この放射性物質をレントゲンは照射に応用したもので、電磁波(電磁場の周期的な変化が真空中や物質中を伝わる横波。マクスウェルの電磁理論によって、光やX線が電磁波に他ならない事が証明)の一種ですが、普通波長が100〜0.1オングストロームの間のものが使われています。



●放射性物質の排泄

 玄米には、放射性物質を、その表皮と共に排泄してしまう能力があります。
 放射性物質は、放射性元素を含む物質の総称で、放射性元素は放射能をもつ元素のことです。放射性元素は天然に存在するものはウラン系列、アクチニウム系列、トリウム系列の諸元素等が上げられます。
 また、人工的に作られるネプツニウム系列の元素もこれに属し、超ウラン元素は総べて人工放射性元素です。また放射性核種は、放射能をもつ原子核の種類で、自然界に存在する天然放射性核種と、加速器や原子炉でつくられる人工放射性核種とがあり、X線を用いて撮影した写真もストロンチウム90を照射させます。

 さて、更に詳しく玄米に含有される有用成分を見てみましょう。

食品有用成分
玄 米 の 有 用 性 分 の 効 果
複合炭水化物
生命活動に必要不可欠な物質は複合炭水化物であり、この物質は単にカロリー源になるばかりでなく、体たんぱくを生成する際の中核物質となる。
 しかしこの物質は、科学的な純粋物質ではなく、各種の有効性分と結びついた姿でなければスムーズに代謝されない。
 その点、玄米の炭水化物は、有効性分がどんな食品より高密度に含有され、玄米が主食に適するのはこうした有用成分の多彩なバランスがあるからである。
類脂肪
玄米中における脂肪はリノール酸の含有率が非常に高く、リノール酸は植物油中にグリセリン‐エステルとして多く含まれる不飽和脂肪酸である。一般に脂肪と言えば、皮下脂肪等の肥満を連想させやすく、有害物質のように思われがちだが、リノール酸などを含む類脂肪は、脂肪代謝を正常化させる働きがある。逆に、リノール酸が減少すると、体内の脂肪代謝に異常が起こり、動脈硬化や肥満を齎す。
 オレイン酸(oleic acid)なども含まれ、これは不飽和脂肪酸の代表的なもので、分子式(C17H33COOH)二重結合を一つもつ。無色油状の液体で、多くの動植物油脂の中にグリセリン‐エステルとして広く存在する。また、この有効成分は血中のコレステロールの増加を押さえる働きがある。
粗蛋白
炭水化物から体タンパクが合成させるとき、脂肪やミネラルと共に重要な働きをする。
一方、同じ蛋白でありながら、肉、鶏卵、牛乳等の動蛋白は、一旦、炭水化物に還元されてから、体タンパク合成に利用され、腸壁を過労に追い込んで、タンパク質合成作用を鈍らせる。
ビタミンB1
1は、ビタミンB複合体の一つで、糖質の代謝にかかわる酵素の補酵素として働く作用があり、白米を主食にするとビタミンB1不足で神経障害が起こる。
これは米糠から抽出された。炭水化物の代謝と関係し、これの欠乏は脚気を起す。またこれは植物や細菌の体内では生合成され、若い組織や種子中にあって成長に関与する。
 また炭水化物の中間代謝物である乳酸や、その他の有害成分が組織に停滞する場合、しびれ・筋肉痛・心臓肥大・食欲減退・神経症状など神経障害があらわれる。
ビタミンB2
2は、抗悪性貧血因子で、コバルトを含み、生体内で補酵素として働く。更にB2は脂肪の代謝に不可欠なものであり、化学薬品や毒素等を解毒する場合に一役買っている。また老化防止や神経過敏等の防止にも有効な成分である。
ビタミンB6
6は、動物体中でアミノ酸の物質代謝に関与するビタミンの一種。これが欠乏すると動物の成長が悪くなり皮膚病を起す。動脈硬化や神経過敏を抑止する働きがある。
ニコチン酸
ビタミンB複合体の一種で、生体内でトリプトファンから生成され、人工的にも合成される。B2と同様に脂肪代謝に関与している。これが欠乏すると、皮膚炎を起こし易くなり、また神経機能を麻痺させて、ノイローゼをはじめとする精神障害を起こし易くなる。
 また、断食中に精神障害が起こるのは、ニコチン酸の欠乏から起るもので、断食は正しい指導者について指導を受けないと、精神障害になるので、素人考えの断食は要注意である。宗教指導者が断食に失敗して、精神障害に陥るのは、この成分が欠乏するからである。
パントテン酸
ビタミンB複合体の一種で、炭水化物や脂肪の代謝に必要な補酵素の成分をなし、欠乏すると副腎・皮膚・末梢神経・消化管等の障害を起す。更に、居眠りし易くなったり、食欲不振に陥る。生命活動のエネルギーが失われ、無気力になったり妥協し居易い性格となる。
 また、こうした反骨精神が失われるばかりでなく、この成分は性ホルモンと関係があり、不足によって老化が早まったり、性欲減退を引き起こす。
リコン
ビタミンB複合体の一種で、遊離した形、あるいはホスファチジル‐コリン(燐脂質の一で細胞膜の重要成分)、またはアセチル‐コリンの形で動植物組織に広く含まれる。
 特に、脳・胆汁・卵黄・種子等に多い。脂肪代謝の調節に関与し、欠乏すると脂肪肝になる。また肝硬変や動脈硬化や高血圧を抑止する働きがある。
葉酸
タミンB複合体の一種で、ホウレンソウ等、一般に緑葉野菜中に含まれるので、この名があり、動物の肝臓からも得られる。また造血にも有効である。これが欠乏すると、胃腸障害や貧血を起こし易くなる。
ビタミンE
植物性油脂に多く含まれる脂溶性ビタミン。脂肪等の酸化防止作用および膜安定化作用をもつ。生殖機能に密接な関係があり、精子の生産を促進したり、老化を防止する働きがある。
リン
これは脂肪と結合してリン脂質となり、脳細胞に不可欠な成分となる。
 エネルギー成分を構成する重要な成分であり、アデノシンのリボースに3分子の燐酸が結合したヌクレオチドでありATP(adenosine triphosphate)と呼ばれる。
 ATPは分子内に高エネルギー燐酸結合があり、生物の運動、物質の代謝・合成・運搬・貯蔵等に広く関与し、ADP(adenosine diphosphate/アデノシン二燐酸)に変化する際のエネルギーがこれらの直接のエネルギー源となる。
 アデノシン二燐酸はデノシンのリボースに2分子の燐酸が結合したヌクレオチドであり、1分子の燐酸と結合してアデノシン三燐酸となり、その逆反応で生成する。
フィチン酸
アルカリ性の条件の中で非常に活発に働く。結合率は、pH7(中性)では約80%ですが、pH8(アルカリ性)では約100%になる。したがって放射性物質を除去する働きがあり、優れた抗公害成分を持つ。
 またフィチン酸は、発ガン性化学物質を体外へ排泄する働きがある。

 自然治癒力を増強すると言うことは、スタミナをつけると言うことです。スタミナがつく条件としては、まず血液がサラサラであり、血液が弱アルカリ性(生理的中性)の条件に限られ、一般に信じられている「肉はスタミナ源のモト」等という、大ウソを信じてはなりません。

 一般に、肉は酸性食品であるので、良くないと思われています。また、コレステロール等を増やすので良くないと謂(いわ)れながら、肉の需要は一向に減りません。こうした考えの背景には、「肉はスタミナ源のモト」という捏造(ねつぞう)された風説があり、肉成分には多少マイナス面があるにしろ、スタミナをつけることが先決である等の安易な考えが、肉信仰を広く流行させています。

 しかし、この考え方は大矛盾の上に成り立っています。
 何故ならば、躰(からだ)は一つの秩序立った働きをしているのであって、血液を酸毒化せながら、コレステロールを増やす一方で、血液をドロドロにし、人体を動脈硬化の危険に曝(さら)しながら、どうして矛盾した、躰にスタミナがつくと言うおかしな現象が起こるのでしょうか。

 スタミナがつく条件は、まず血液がサラサラであり、動脈がしなやかに保たれているというのが必要不可欠な条件であり、本人が勝手にスタミナ食を食したからと言っても、躰の方は悲鳴を上げているのです。したがって肉食を始めとする動蛋白食品は、むしろスタミナがつくどころか、食べれば食べる程、健康を害する食品なのです。

 自然治癒力を高めると言う条件は、スタミナがつくと言うことであり、この条件下には、血液サラサラの、しかも動脈が柔らかいと言う条件に於てのみ、スタミナ増強が図られるのです。

 スタミナ増強のカラクリは、腸壁の体タンパク合成であり、この力が強い程、質のしっかりした体細胞が造れるのです。こうした最高のスタミナ食が玄米なのです。

 体タンパク合成力に、最も重要な栄養成分は炭水化物です。これ等の中には、ミネラル、ビタミン、酵素等の各種の有効成分が結合し、こうした炭水化物が玄米の中に豊富に含有されているのです。
 この炭水化物であれば、腸壁細胞は直ちに体タンパク合成の作業に取りかかれますし、充分な有効性分と共存してますから、腸壁から有効成分を奪うことはありません。したがって腸壁細胞は、スムーズな活動ができるわけです。

 こうした作業をすること自体が、人間本来の消化機能に磨きをかけることであり、適応力に富んだ生理機能が蘇(よみがえ)って来るのです。こうした条件下に於いてのみ、自然治癒力が高まるのです。自然治癒力から考えますと、玄米食こそ、理想の食餌法(しょくじほう)と言わねばなりません。