人類淘汰の時代が始まった
近未来に暗示される人類淘汰
 人類淘汰の時代が始まっています。
 その暗示を強調するものが、十数年後の近未来に控えた食糧危機です。
 そして食糧危機を暗示する大きな原因は、現在の数年後からの人口がやがて約60億になり、2035年頃にはその1.5倍の約90億になる事に由来するといわれていますが、そればかりではありません。
 年々の人口増加に合わせて、人々がエゴイズムを剥き出しにして、段々贅沢になり、食生活が欧米化した事にその大きな原因があるようです。

 豊かな食生活を求めた結果、その食糧を世界規模の流通で確保できなくなり、それが食糧危機の直接的な原因になると囁かれているのです。つまり市場経済の流通ルートにおいて、国力の格差や経済力において、粗なる処と、密なる処が現われます。したがって三度三度腹一杯食べられる者と、一日の食糧にも事欠く、食べられない者との格差が生じ、食糧の拮抗バランスが、先進国の経済力を持つ裕福な国に偏っているという現象によって、格差的な食糧危機が発生します。
 これが人類淘汰の第一段階です。

 次に国際食糧メジャーは、近未来の食糧危機を懸念して、クローン(clone)培養による動蛋白食品や、遺伝子組み替えによる組換えDNAを試験官の中で人工的に食糧媒体を作り出し、生物から抽出したDNA分子の断片を特定部位に組み替え、それによって未来の食糧を確保すると言う計画を進めています。
 こうした計画は、もともと健全な宇宙の玄理を最初から無視している為、畸形食品である事は疑う余地もありません。この思想の根底には、「人類一様の平等論」が働いており、富める者と貧しき者との、食糧分配においての平等意識があり、その格差是正を公平にする為に考え出された理論です。

 つまり人類には誰にも等しく、公平に食糧を分配するシステムを作る。したがって市場経済においては、何人といえどもこれを公平に購入する事が出来る。こうした平等・平坦論に、クローン計画や遺伝子組み替え計画を見て取る事が出来ます。
 ところが問題はここにあり、ひと握りの富める者は稀少価値のある自然食品で、大衆層はクローンの動蛋白や組み替え食品の農作物でという、一種の選民と淘汰の理論が含まれています。したがってその他大勢の大衆というのは、最初から明らかに淘汰される側に入った食糧計画が実施されているという事になります。
 これが人類を淘汰する第二計画です。

 増え続ける人口爆発において、世界のひと握りのエリートは、これに抑制する事を計画するのは、自らの種の保存を願う上でも必然的な成り行きです。そして彼等は、人類淘汰の為に、様々な手段をこれまでにも用い、人類の淘汰を目論んできました。
 その大きな計画が「戦争」でした。敵対する同士を啀(いが)み合わせ、戦争突入に際し、双方に巨額な軍資金を貸し付け、軍事顧問として戦備の援助を提供して、互いに殺しあう事によって人類淘汰を目論みました。
 しかし戦争は一時的に人口が減少しても、その反動として数年後に爆発的に増えるという現象が起こる為に、核爆弾でも使わない限り、これを減少させる事が出来ないという事に気付きます。

 そして次に考え出されたものが、現代の黒死病と言われる「エイズ(AIDS)」だったのです。
 人間は本来の欲望である性欲を否定する事は出来ません。この欲望否定の現象に目を付けたのが、人工の病気であるエイズウイルスでした。今日、いろいろな治療法が研究されていますが、未だにのそ有効な解決策はなく、一見みるところ、不治の病を思わせます。

 こうした今の現状から察すると、十年間に約150万人がエイズに罹(かか)り、六カ月から一年間に、病床の後に死んで行くとすると、とにかく十年後には、確実に135万人以上が死ぬ事になります。これは原爆を遥かにしのぐ致死率を持っています。
 かつて考えられた致死因子は、戦争や抗争などの外側からの致死因子が主体でした。ところが近年はこうした外側の致死因子より、人間に内在する内側からの致死因子に目を付ける事により、不特定多数の大衆を致死に至らしめる事が出来るという結論に達しているようです。
 これが人類を淘汰する第三計画です。

 そしてこの計画の中には、食糧問題が密接に絡み、人間本来の本能である性欲に併せて、食欲までもをコントロールする計画が、その実行段階に入ったと見るべきでしょう。
 肉や乳製品の、かつての欧米の恥部であった動蛋白の常習性により、その味を記憶に刻み付けて、内臓機能を狂わせて、老化現象を起こし、性的な病的興奮を盛り上げて排泄障害を起こす。ために血液中の過剰な酸類は、性腺を刺激して異常な性的興奮状態に陥る。そこで、子供であっても早熟が始まり、未成年・若年層の男女は欧米流の求愛術を駆使して、性交遊戯に趨る。また中年層でも、「開かれた性」を理由に、不倫に趨る。

 以上こうした巧妙に仕掛けられた、罠(わな)の中で、人間の欲望である性欲を否定できない男女は、「見境えなく貪欲に男女の性(sex)を貪る」という構図が社会に描き出されます。
 エイズは、こうした社会の縮図に描き出された、食の誤りからくる、深遠な落し穴の手前に仕掛けられた現代の黒死病だったのです。

 今、エイズは急速な勢いで増え続けています。その止まるところを知りません。十年間に、確実に150万人以上が死んで行くという現実に振り返りますと、その医療費だけでも膨大な額になります。
 特に、先進国に蔓延するエイズは、アメリカを始めとする先進国で爆発的な広がりをみせています。果たしてこうした猛威を振るう現代の奇病に対し、先進国の各国は、医療費の重圧に耐えられるものなのでしょうか。
 エイズは、重く伸(の)し掛かる圧力ばかりでなく、また病院が破綻し、健康保険費や医療費で破産するというだけでは済まされず、人類そのものの崩壊の暗示を決定付ける、社会の陰影でもあるのです。

 最近は性交遊戯に耽る男女も、あるいは同性愛者同士でも、お互いを瞶(みつ)める目付きが変わったと言われます。男女は、お互にファッションや容姿に魅了されながらも、一種異様な目付きを以て、「もしかしたら、この人はエイズを隠しているのでは?……」というふうに。
 こうした現実を考えて見ても、人類は十数年後の近未来において、淘汰されるという現実へ、足を踏み出しているのです。
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