・ 大東流秘伝大鑑
 ・ 大東流合気二刀剣
 ・ 大東流合気之術
 ・ 合気の秘訣
 ・ 大東流 入身投げ

   ・ 第一巻〜四巻
 ・ 第五巻〜八巻
 ・ 第九巻〜十一巻

   ・ 今月の志友会報
 ・ 今月の大東新報
 ・ 志友会報
   ┗ サンプル
 ・ 大東新報
   ┗ サンプル

   ・竜造寺丹羽の絵の世界
   ┣ その1
   ┣ その2
   ┣ その3
   ┣ その4
   ┗ その5
 ・本捕りと四方投げ

   ・西郷派大東流オリジナルTシャツ

   ・四稜手裏剣
  ┣ 販売について 1
  ┣ 販売について 2
  ┣ 中距離用手裏剣
  ┣ 長距離用手裏剣
  ┣ 長距離用手裏剣 2
  ┣ 十文字手裏剣
  ┣ 手裏剣手入具
  ┣ 手裏剣袋
  ┗ 西郷派大東流の手裏剣について
 ・ 西郷派の居合刀
   ┣ その1
   ┗ その2

   ・ 五輪の魂/臥竜







平成26年 『大東新報』12月号


拡大表示

大東新報

暗澹化の時代
 時代は混沌としてきた。一見ガラス張りであるかのような錯覚を抱きながらも、実は水面下の深層部は全く見えない。
 これが時代の暗澹化である。
 かつて三化時代と言われた。
 それは高齢化、情報化、国際化をさしてこう呼んだ。
 しかし今は「暗澹化」である。
 (中略)
 かつての日本は、国鉄労組という組合組織があり、平等を逆手に取り「平等に何もしない」という集団に成り下がっていた。

 今日でも欧米の民主主義がイスラム圏で容易に導入されないのは、彼らアラブ人たちが民主主義の悪の多数決になりやすい欠点を見抜いているからである。
 また自由や平等の言葉を用意に信用せず、人間は本音と建前で物を言う生き物であることをイスラム教を通じてよく知っているのがアラブ人たちである。それを如実に表した言葉が「誰もが、金持ちの側につく」である。

 またアラブは、よく狼に例えられる。そして狼は犬と違うから簡単には人間に懐かない。そのアラブの格言で有名なのが「狼の仔は馴らすことができない」という言葉である。今でもアラブ諸国の大半は欧米に馴染まないのである。欧米の主義主張に賛同しないのである。
 自らをよく知っている民族と言えよう。

 一方、戦後直ぐにデモクラシー民主主義に馴染んでしまった日本人はどうか。
 思うに、今日の日本を悪くしたのは、何事も事を荒たげずに、物わかりのいい、かつ聞き分けのいいこの書に人間ばかりを戦後教育の中で大量生産した事であった。その最たる物が、人権と平等という思想である。

 更に戦後の民主教育に中では、人権と平等が間違って結びつき、またこれが文句無く服従すべき事柄となり、上下関係は一切なしとか、男女は同権であるとかの其々の特性と特徴を無視して両者を同等という計りにかけ一緒くたにしてしまった事である。その上、それぞれのとくと湯の正当な権威すらも一切認められなくなってしまったのである。つまり、権威泣き今日菊が一人歩きし始めたのである。果たして教育に権威が無くして正しい教育が施されるだろうか。
(本文より)


時事報談

金銭至上主義下の多数決
 昨今の日本青年は、自身で思考する能力に欠けるため、知恵のある知者がこうした提案を出せば、直に飛びつくようである。お祭り的な、何でも面白がらせてイベントや作業を主催する仕掛人グループである。一定の意図を持たせ、ある流脈に若者を誘導する計算されたお祭りシステムである。
 それを明確にしているのが「面白い社員育成プログラムを構築していることである。そして自身では思考したり、自身で物を作り出すことのできない若者が便乗する。誘導され、ある流脈の意図に導かれて、そこに面白みを覚え、深層部に嵌っていくシステムとプログラムである。

 その一つ目は、「ハイブリッド社員制度」と彼らが名付けているものであり、「二つの職を経験してキャリアを広げていく制度」であり、例えば、治療の技術を高めるだけでなく、一流の接客や販売力をも身に付けた社員となるべく、様々な挑戦が出来る制度であります。

 そして、もう一つは、「FA社員制度」と呼称するもので、「今の職場を離れて、他社、他部署、他業種へ移籍することが出来る制度である。だが、筆者はこの制度を顧みて、何か巧妙な仕掛けが横たわっていることを想起させられるのである。
 例えば彼らが既に連携している二〇社から、指名、逆指名される制度で、社員自身が自らの可能性を最大限引き出す制度が共存する会社となっている。
(本文より)


購読について
郵送にてのペーパー購読:年間購読料/3,150円

電子版購読:年間購読料/2,190円



平成26年 『大東新報』11月号



拡大表示

大東新報

人間崇拝の政治システム
 人間が行う政治体系は専制君主制であろうと、貴族制であろうと、また議会制であろうと軍国主義であろうと、総てデモクラシーである。
 だが、デモクラシーは極めて不完全な人間の遣る政治である。判断が一つ間違うと、愚民政治になりやすく、多数決の原理で少数意見は無視され、暴民政治になりやすい。その最たるものが、人間の引き起こす革命である。暴力革命はその最たるものであろう。
 (中略)
 プラトンが理想とした政治形態は哲人王による政治支配であった。優れた哲学者によって政治がなされ、その哲学者が王になるというものであった。また、その哲学者を軍人や労働者が補佐し、理想的な王国国家を形成するという物であった。
 この形態を維持するには、哲人王を最高権力者とし、その次に人民を守るための軍人を次ぎに置き、その次を労働者として国家の財政の基盤となる。こういう形態を最高の政治形態としたのだが、それを規模的にいうと、おおよそ五〇〇〇人程度が理想としたのである。それ以上に殖えすぎても減ったもいけないのである。プラトンが辿り着いた理想国家の規模はこのくらいの規模でないと維持できないと考えたのである。

 国を政体によって分類すれば、これがプラトンの『政体論』となる。
 政体論からいえば、最高権力の支配者が一人の場合をモナルケアという。これが単独支配である。そしてこの政治家では、法重視となるから、良い政治と悪い政治を比較すると、法を守る政治が良い政治で法を無視する無法政治が悪い者政治。そして単独政治で、良い政治を行う哲学王が支配する王制を言う。

 だが、法を守らず単独支配者が暴君のような悪い独裁者になった場合、これを僭主制いという。これがタイラントである。(本文より)


時事報談

一筋縄ではいかない経済状況
 電力供給は経済の基盤と考える日本政府は、経済高揚とこれから先の少子化日本に備えて、備蓄化政策ならぬ経済資本の一時的な放出により、産業優先体制に驀進すると思われるが、恐らくこの思惑は外れるだろう。国家安全保障と原子力発電に関する安倍氏の政策は、特に女性の反感を買っている。
 それが世論調査で支持率低下に繋がった大きな要因である。東京都議会の女性嫌いの自民党議員が最近、別の都議に早く結婚しろとヤジを飛ばしたことも、プラスに作用する筈がない。マイナス要因を撒き散らす材料は自民党の中に至る所の転がっている。

 今秋には、津波の被害を受けた原子力発電所を抱える福島県と、創価学会の砦で、米軍駐留の負担を負う沖縄県でも地方選挙が予定されている。そこでもし与党が敗北するようなことがあれば、安倍氏が押し進めている経済計画は頓挫する可能性が減じるかも知れない。もしそうなれば、アベノミクスは根底から崩壊するだろう。
 更に安倍氏のアドバイサーらによれば、同氏は今のところ、有権者が力を入れて欲しいと考えている経済ならびに、その他の生活に関わる問題に焦点を戻しているという。有権者を意識してのことであろう。

 また近隣の外交政策の結果から派生する政治的な交渉結果も大きい。特に外交は、アベノミクスで掲げた経済政策より大きいかも知れない。
 経済がどれだけ重要であっても、もし安倍氏が数十年前に北朝鮮に拉致された十七人以上の日本国民のうち、少なくとも数人の帰国を実現できれば、同氏の支持率が急上昇するということを政府のメディア対策アドバイザーらは知っている。
 政治の根幹をなす国際政治力が問われる。
 それだけに拉致問題解決は政治的な効果は大きい。その思惑は大だろう。これを迂回して、政治生命はないだろう。

 日本は今年五月、北朝鮮が拉致被害者の安否について再調査を実施する見返りに、国際社会の除け者になっている北朝鮮政権に対する制裁を緩和することに合意した。
 この政治的な構図は、二〇〇二年には、同じ作戦が安倍氏の師匠である小泉純一郎氏の支持率を回復させた事実があった事だ。小泉氏の支持率は当時、人気のある閣僚を解任した後に急落していた。そこで一策を案じた。
 つまり北朝鮮政権への緩和を政治的な駆け引きに遣い、国民の支持率を上げるという思惑である。
 もし安倍氏が 横田めぐみさん(一九七七年に十三歳で北朝鮮の潜水工作員に拉致され、今も生死が分かっていない拉致被害者の象徴的な存在)を帰国させることができれば、安倍氏は不動の地位を手に入れるだろう。

 だが、世界最悪にして最も非協力的な政権に、政治的支援を当てにすることは、とても賢明とは言えない。ただかの国からじらされて、最後は煙に巻かれるであろう。
 思えば、アベノミクスは「経済で勝負を謳ったった政策」だった。正しく機能しているだろうか。(本文より)


購読について
郵送にてのペーパー購読:年間購読料/3,150円

電子版購読:年間購読料/2,190円



平成26年 『大東新報』10月号



拡大表示

大東新報

デモクラシーの定義
 日本人が安易に口にする「自由」とは何であろう。
 つまり自由主義の本当の意味である。誰もが自由・自由と口にする。その根本にある自由主義とは、政治権力から国民の権利を守る事である。
 では、今日に見るデモクラシーの根源にあるものを何と呼んだらいいのであろうか。リベラルということになろうか。ならば、リベラルが発展して近代デモクラシーになったというのであろうか!
 (中略)
 古代ユダヤのソロモン王とか、ダビデ王の時代は紛れもなくシオクラシーの時代であった。王に全権力があったけれども、預言者を介入して行う政治は根本的にはシオクラシーである。専制政治だって王以外に助言者が介入すれば、王の発言は預言者には服従であり、一喝されれば王すらも縮み上がったのである。
 ダビデ王が、忠勇なる兵士ウイアを殺して、その美貌の妻、バスシェバを奪った。すると預言者ナタンは、ダビデ王を一喝した。

 「何ぞ、汝エホバの言を藐視して、その目の前に悪をなせしや。視よ、われ汝の家の中より汝の上に禍を起こすべし」
 それは激しい口調でソロモン王を叱りつけたのである。
 これを聞くとソロモン王は驚愕し青ざめて、地にひれ伏し身を震わせて泣いて許しを乞うた。(サムエル後書 第十二 第九〜十一節)
 古代ユダヤにおいては、根本的にはシオクラシーであった。神聖政治が行われていた。そのために神との取り決めを守らなかったりすれば、その者には鉄槌が下り、預言者を無視して政治はあり得なかったとある。特に旧約聖書では前八〜七世紀におけるイスラエルの宗教的指導者は、まさに預言者であり、コーランではアダム・アブラハム・モーセ・イエスらを預言者とし、ムハンマドはその最後の人物とされる。(本文より)


時事報談

経済優先政策とは国民生活の無視
 貸付資本は、借り手に同額の負債を発生させる。即ち貸付資本が増加すればするほど、負債も増加するのである。これは一体何を意味するのか。つまり貸付資本の増加は、本当は負債の増加を意味するのであり、現在の金融経済の根幹には資本主義の虚構が横たわっており、正体を白日の下に晒しているのである。

 アベノミクスの正体もここに横たわっている。経済優先とは金融政策を優先して国民の生活は後回しになる事であり、例えばTPP【註】Trans-Pacific Partnership/日本・米国を中心とした環太平洋地域による経済連携協定)の協定においても、国内自給率よりも外国産の農作物を輸入して国外に頼り、主食である米の自給率よりも合理的な観点から見れば、易くて経済効果もあり、こちらを優先するという考えに基づいたものである。そして政府は、「現実に日本国内に生産者農家の後継者がどれだけ居るかが問題」と嘯いて国民を煙に巻く。

 古来より連綿と続いた日本の『身土不二』の食思想は完全に崩壊していると言えるし、その方向に誘導しているようにも思える。これを考えれば、国内自給率は低下する一方で、第一次産業従事者は就業者人口の僅か1%にしか満たず、第二次産業の職人を生業とする従事者は二四%であり、残りの七五%は総て第三次産業のサービス業である。

 かつてはこの比率も逆転していて日本国内の農業自給率が非常に高かったが、サラリーマン制度を戦後の発展過程に入れてこれを優先したために第一次ならびに第二次産業従事者が激変したのである。
 これは何を意味するか。

 万一の場合、改廃の日本への農作物輸出国が一斉に日本叩きに加わり、輸出をストップすれば間違いなく日本一国は深刻な食糧難に陥るだろう。
 現に、ある『神示』で、「政治も経済も無くなるぞ!」という言葉とともに「食べ物も一時期は無くなるぞ」と続け、日本人に対して「覚悟なされよ!」と厳しく迫っているからである。

 また万一の場合は、国内自給率の低い日本は食べ物を求めて植える人間が続出する事だろう。
 特に主食は、かつては米が中心であったが、戦後間もない頃、ある大学教授が「米を食べれば頭が悪くなる」と発言した事から、この時を機に米離れが起こり、以来パンを主食にする家庭が急増し、現在では殆ど朝食時にはパンなどのトーストと、食肉加工食品のハムやソーセージ、更には牛乳や乳製品のチーズなどの西洋食を模倣したもので、かつてのように米と味噌汁という家庭は稀である。

 既に現代日本人の古来より連綿と続いた食体系は崩壊しているのである。日本人の日本離れである。したがって日本精神すら既に崩壊し、横文字文化や、常に飛び回る騒々しい音楽に汚染されその最たるものはロックであろう。胃袋をはじめとする内臓の汚染だけにとどまらず、脳や精神までもを外国に汚染されてしまっているのである。そして、その汚染はとどまる事を知らない。

 昨今の機会なる現象は憲法解釈変更と原発再稼働である。あれほど自然災害に叩かれながらも、経済結優先主義はアベノミクスに拍車を掛ける。更に言及すれば、二つの敗北には関連性があり、恐らくは安倍氏が、大半の国民の意思に反して、日本の安全保障政策の歴史的改革を断行したと見られている遣り方と関係している。(本文より)


購読について
郵送にてのペーパー購読:年間購読料/3,150円

電子版購読:年間購読料/2,190円



平成26年 『大東新報』9月号



拡大表示

大東新報

神聖政治
 イスラム圏の人間原理や原則は自由諸国のそれとことなる。欧米の自由諸国の眼でイスラム圏を甘く見ると、あとあと大変な事になる。況して今日の日本人がイスラム圏を見るような眼でもると大きな間違いを犯すだろう。イスラム圏地域は日本人が想像も絶す場所に済み、その場所で何千年も耐えてきた歴史的痕跡がある。ヤワな日本人如きではない。

 この原理と原則的世界は、快適で便利で、更には豊かである今日の日本社会とは大きく異なっているのである。そしてその異なりの誤差は、アラブ諸国は今なおデモクラシーが存在しない事なのである。彼らの信じる者は、「アラーの神」だった。
 砂漠の中で憩いを感じさせるのは、あらの神をおいてほかに存在しなかった。
 先進国はデモクラシー最優先国家だと自称しても、見方を変えれば時の権力者の保身政治システムであり、人民優位の政治システムでない事が一目瞭然となる。

 だが、この人民不在、国民不在の政治システムは案外その国の国民には変わり辛く、また民主主義が理解したようでありながら、その主旨を理解しない国民も多い。人民の、人民のための政治は、表面上のスローガンにとどまっている。
 (中略)
人民による人民の政治。
 これ、民主主義のスローガンである。

 政治家は人民のために尽くす。故に無私で奮闘努力し、我が身一身を正義の名の下に高潔漢の生き態に徹し、粉骨砕身して人民のために身を尽くすを指標にするという目的意識を持つ。
 だが、どんな硬骨漢でも、いざとなれば保身を考えるのが人情であろう。

 これまで見掛け上は無私に徹し粉骨砕身していた者が、民より自分を優先させる事になる。権威や権力に縋ろうとする。ここに「揺れ動く意識」があると言える。保身を考えれば、同じ数直線上にある限り、右にも左にも揺れるのである。無私は永遠に不動ではない。不安定要素からなる。時と場合において、いつでも豹変するのである。

 デモクラシーは右に偏れば大衆の支持を得て軍国主義にもなるし、左に偏れば社会主義の一党独裁の政治形態が誕生する。
 しかしこの逆に、極端な平和主義でも、デモクラシーとは全く関係のない政治形態もある。
 例えば、平安時代の貴族政治を見れば、平和主義でありながらデモクラシーとは遠く離れた政治形態である事が分かる。
 更に古くは、卑弥呼の時代である。この時代も一時的には平和主義を唱えた時代であった。(本文より)


時事報談

奇なる狂奔現象の発生
 英国のウィリアム・ヘーグ外相は先日、チャタムハウス【註】王立国際問題研究所)主催のロンドン会議の開会式で、世界は単に難局を経験しているだけでなく、「体系的な無秩序」の時代に入ったと述べた。
 体系無き無秩序の時代の突入だ。

 これは換言すれば、西側の先進民主主義国は、これから試練の時期を迎えるということだ。民主主義は根底から揺らぎ始めているのである。これたの事実を知らないのは日本人だけであり、現代日本人はこの時代に至っても、民主主義を世界最高の政治システムと考え、信じて疑わないのである。
 (中略)
 一方経済に眼を向けると、ここにも奇妙な珍現象が起こり始めている。これだけでもアベノミクスは色褪せたと言えるだろう。

 安倍晋三氏の輝きが幾らか色褪せ、翳りが出てきた。
 その記憶にある中で最も長く続いている日本の内閣では、これまで自信がどんどん膨らむような雰囲気が漂っていた。何しろ、ほぼ総ての事が 安倍晋三首相の思 う通りになってきた。首相本人の健康が回復したし、安倍内閣の閣僚は、日本の政治家が習慣のように繰り返す失言やスキャンダルを避けてきた。

 だが、今年七月十三日に行われた滋 賀県知事選挙での与党の敗北は、政府を慌てさせた。
 一方、安倍氏の顧問らは、かつては揺らぐことのなかった首相の支持率が全国世論調査で 低下し、初めて五〇%を割り込んだ理由を説明するのに苦労している。

 筆者は出端の華々しいアベノミクスを抱えた経済主義は、やがて行き詰まると検ている。これを歴史の中で探すとすれば、東条英機内閣と何かしら酷似しているように思えるからである。帝国海軍の真珠湾攻撃と帝国陸軍のシンガポールへの快進撃。この快進撃こそ、滑り出しのいい出端の安倍内閣を彷彿とさせるのである。雪の泥濘の時代である。

 経済第一の拝金主義。そして国民が狂奔するマネーゲーム。
 まさに平成バブルの二番煎じが始まろうとしている。
 ここで断言しておきたい事は、「資本主義は虚構性に満ちている」という事である。資本と称するものは、鋳造された金貨や銀貨あるいは金の裏付けを保証する兌換紙幣だけではない。況して日本のような日本銀行券という紙切れだけではない。資本には不動産も含まれる。農耕地、森林、建造物、船舶なども計上される。

 だが資本と云う言葉から考えると、ギンギンなのの貴金属類は宝石など、あるいは不動産にしろ、金融経済を牛耳っている国際ユダヤ金融資本の経済活動を考えれば、資本の裏付けとなるものは殆ど増やされていないのである。固定的には同数のままである。そしてもう一つ。
  資本主義を考える上で最も重要な位置を占めるのは「貸付資本」である。貸付資本とは、一定の利子を支払う事でこれに対して貸し付けられる金額の事である。(本文より)


購読について
郵送にてのペーパー購読:年間購読料/3,150円

電子版購読:年間購読料/2,190円



平成26年 『大東新報』8月号



拡大表示

大東新報

デモクラシーとシオクラシー
 世の政治システムに、今や「高潔」という二文字がしっかり根付いてしまった。そして、あたかも高潔であれば「良い政治」が実行できると、誰もが信じて疑わない時代に至った。

 日本の政治家は以前に比べて、更に小粒となったと言っても言いだろう。身を清き環境の中で畏まっておれば、それで良い政治が実行できると政治家は思い、また国民もそう言う環境の中であれば、公平で公正な正義の政治システムが社会全体を覆い、世の中は益々良くなり発展すると信じて疑わないようだ。何とも幼児的で馬鹿げた、恐ろしい考え方であると言えよう。そして些細な事にも揚げ足を取る。失言しただけで葬り去られる。
 これなど、民主主義ではなく、まさにデモクラシーとは程遠い、厳重な監視下の社会主義である。

 一方で個人情報を論ってプライバシーの侵害と言う。そう言う片方で、監視下社会では官憲が運転免許証や社会保険の加入状況から個人とその家族を割り出し、監視し、警戒してもはや大衆・庶民が改革のために立ち上がる機会を永遠に奪ってしまった現実に個人情報保護論者は何一つ反論をしていない。反論せぬ所に、デモクラシーの崩壊があるだろう。日本人の誰もが信じて疑わない現代日本は、実は民主主義などではなく、社会主義国家と酷似するのである。その政権下では、自由であるように見せ掛けて不自由であり、平等であるかのように思い込んでいて実は不平等なのである。

 これが社会主義下の監視体制なのである。見た目は自由であるように見えて不自由であり、平等であるかのように錯覚して実は、ヒエラルキー構造が出来上がっているのである。
 そして今や、日本人を含む、普通の市民たちは、これから先、永遠に人権を奪われるであろう。基本的人権とは体裁のいい美辞麗句の一種である。この美辞麗句に酔う、日本人はやがて階級主義と能力別という現実の中で奴隷化されていくであろう。

 然も、このような奴隷体制が一度完成すると、監視国家は、まさに社会主義のごとく変貌し、その国家が所有する強大な軍隊と、内部警察機構により、大衆・庶民からの変革はもはや絶望的になるだろう。監視下の枠の中で、完全に自由は奪われるのである。これこそ社会主義下の檻の中の「人間牧場」であろう。
 日本国民は、人民階級に分類され、国民の一人一人は階級化されて、機能化され、更には「家畜化」されていく事だろう。

 戦後の日本人は先の大戦で敗れ、戦後の民主教育と銘打った教育が施され、自由と平等は、その一方で急速に社会主義化され、大衆コントロールの集団催眠の暗示の罠にのである。(本文より)


時事報談

奇怪
 現代は奇怪な時代である。外国の邪なるものが流行している。
 宗教においてもそうである。
 またスポーツや芸能、更にはグルメにおいてもそうである。美食に舌鼓を打って貪り食っている場合ではない。
 スポーツ芸能情報や美食情報に誘導されてはならぬ。

 ワールドカップじゃ、オリンピックじゃと浮かれている場合ではない。問題はもっと深刻である。
 更に眼の見えないところで怪奇現象が起こっているので、日本人の平面思考的な頭の構造では容易に理解できない。スポーツ界や芸能界に、これだけ眼をくらまされるのであるから、それだけに深刻である。
 この深刻なる構造を世界規模で、凝視すれば、邪は蔓延っているようだ。そうした者に政治が絡み、また経済が絡んでいる。ここには「科学的」と称する、科学の前に誰もが拝跪する物質今日なる宗教の蔓延があるようだ。同時にこれが軍事にも絡んで世界のミリタリー・バランスは、今や腕力重視の構造が構築されている。

 特にロシアに追随する中国の暴挙は眼に余る者がある。
 低い確率の中で、先天的にそうした能力を持ってこの世に生まれた人である。
 しかし、こうしたことが見抜けない世になった。
 先天的な能力を持った人を、現代では「科学的でない」という呼称で引き摺り下ろす。非科学的という侮名と汚名を投げつけて、徹底的に扱き下ろす。これにより、本物の霊能を持った審神者は姿を隠し、それに変わって似非神が登場した。職業祈祷師の類である。

 現代の「科学的」という言葉は、玄人と素人の境目を、まず無くし、これを平坦にしてしまったことだ。陸続きにしてしまったことだ。
 結界の裡側を土足で踏み込ませることがどんなに恐ろしいか、その意味が分からなくなってしまっている。そして、この世界では、素人がマニア化して玄人に化けることが可能になったのである。
 ド素人がそれらしく振る舞って、霊媒師の真似をすることが、意図も簡単に出来るようになった。
 あの滑稽な、訳もなく飛び跳ねるチャネラーという類もそうだろう。踊り踊って、何かに憑かれたように魑魅魍魎に狂わされている類である。その証拠に、ぴょんぴょんと跳ねる軽佻浮薄な動作をするマニアである。狂わないと、こうした奇怪な動作は出来る訳が無い。

 触らぬ神に祟りなし、である。中庸を知らぬとこうした軽率な憑霊行動まで顕われる。慎むべしであろう。
 現代は怪奇な時代である。
 至る所にマニアが溢れている。細分化され、専門化されて、ミクロ的であるが、決してマクロ的な者の身からが出来なくなってしまった時代である。一方でマニア化され、知識的に専門化された極地の世界で、いま何が起こっているのであろうか。

 欧州に関して言えば、軟弱な欧米の実態が顕著である。これを正しく見る日本人は以外にも少ない。
 ロシアによるクリミア併合とウクライナの不安定化は、多くの欧州通の経済アナリストが指摘し続けてきた。そしてウラジーミル・プーチン大統領の行動から見れば、米国と欧州は「軟弱」だということが、この大統領の裏付けとして行動に現れている。

 米国政府は、クリミア併合とウクライナの不安定を是正するために、紛争回避を目標にしていた。バラク・オバマ大統領は自身を、二つの戦争を終わらせ、三つ目の戦争を回避した米国大統領として歴史に記憶してもらいたいと願っている。
 ところが問屋が卸さない。
 欧州問題に関して、大陸の心理を理解するには、軍事支出の急減を目指すだけでは不十分だった。
 ロシアのウクライナ侵攻は、欧州連合(EU)諸国の政府に、短期的な実業界の利益と冷戦後の秩序の維持の二者択一を迫ったが、実業界の著名人がロシアに忠誠を誓った時点で決着がついてしまった。クリミアの併合は、殆ど既成事実として受け入れられてしまった。確定的となった。

 ロシアの諜報機関、ロシア連邦保安庁(FSB)のプーチン氏の旧友たちは、今重要なのは西側の二人の指導者だけだと同氏に語った。
 この二人の人物とは、オバマ大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相である。用心深い指導者が、極端に用心深い指導者を先導しているわけである。(本文より)


購読について
郵送にてのペーパー購読:年間購読料/3,150円

電子版購読:年間購読料/2,190円



《戻る トップページ