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平成28年 『大東新報』12月号



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大東新報

行いこそ仁・不仁の境目
 現代社会には黒魔術的な儀礼を模した話術や媚術が横行している。特に、ネット社会での現実下では、この横行や暗躍が顕著である。
 例えば、ネット上に揚がった人物評である。この人物評ほど出鱈目なものはない。
 特に匿名に関しては、中には誹謗中傷の限りを尽くされ、罵詈雑言の羅列で悪の筆頭に挙げられている人物評などは、最初から人を陥れるための目的で悪態の限りで書き殴られている。その意図はありありである。
 (中略)
 更に不可解なのは、これまで一度も面識が無い者が、まさに「見てきたようなことを言う講釈師の如き」であるから、恐れ入るしかない。当然、背後には「捏造の妙」が遣われる。
 そもそも兵法は、武術と異なり、戦闘における術のみを法とするのでなく、戦闘・戦術そして戦略までもを網羅するものであるから、ミクロ的でなく、全体像を透視するマクロ的なものになる。大局を検るのである。したがって、小手先のテクニックではない。全体像を透視し、その急所に仕留めを刺す法である。全体像が見えていなければ、結末は上術レベルで下術レベルは話術で止めを刺されるのである。然して「捏造の妙」が遣われる。「言った者勝ち」の話術である。
 (中略)
 二十世紀の日本の最大の敗因は、この話術の妙を知らないばかりに大東亜戦争の大敗北した歴史を持つ。しかし、この妙に気付いている日本人は以外にも少ないようである。
 そのために、進歩的文化人がこじつけて尤もらしく言う「日本はアメリカの物量戦に負けた」という『家永三郎論』【註】家永三郎/東大卒。東京教育大学教授。仏教思想史から出発し、近代思想史・法学史・太平洋戦争史など幅広い分野を研究した。また太平洋戦争史においては左翼的史観に固執し、大東亜戦争を岩波書店の『昭和史』グループと結託して亜流誘導や、朝日新聞の進歩的マスコミグループと結託して太平洋戦争史観を猖獗(しょうけつ)したことである。教科書検定違憲訴訟の原告としても知られる。一九一三〜二〇〇二)が定着してしまった。そして家永三郎論は徹頭徹尾、文化的進歩人的な立場で戦後の教育を牛耳り、これが日教組などに及び猖獗をもって「詐之術」の言い放題で捏造されたものであった。話術の妙と言うべきか。
 言葉を多く知っている者は、言葉を知らない者を支配するという構図である。
(本文より)


時事報談

生け贄の列島物語
 天は人間に何かを教えている。天は何も言わなくても、何かを教えてくれていて、天から学ぶものは多くある。
 孔子は七十歳になったとき、「心の欲する所に従い、矩を踰えず」と言ったが、矩は「差金」のことであり、法則と言う意味である。それは、自在であり、かつ放恣にならない精神がある。そこに人生の到達領域がある。それはまた人間に反応する。天地が冥いから自分も冥い。

 天は大雨を降らせ、颱風に苦しみ、あるいは高温多湿で温暖化を招き、地は地表の物を大きく揺らして、人間が難儀を強いられる。
 人民は天災によって天下の民は苦しむ。しかし、果たしてそれは天災と言えるのか。
 天下を治める権力者が、慎まぬからではないのか。
 人は夕日に、夕焼け空に、何らかの哀愁を感じる。それは沈む夕日の中に明日への希望が横たわっているのではないか。

 あるいは夕陽の中に、何らかの希望以外の不安があるのではないのか。明日、陽は昇るのだろうか。そういう不安があるとき、没落も暗示している場合がある。その意味で夕日は、「未来信号」かも知れない。燈台と同じように二つの意味を持っている。
 一つは希望、もう一つは危険に警戒せよと言う暗示である。
 もし人間が、この二つの意味のうち、一つだけしか解らないと言うのでは、未来はおそらく人間を笑顔をもって迎えてはくれないであろう。

 夕日は明日への希望とともに、明日を警戒する暗示すら含んでいるのである。そしてそれに日々、注視できれば幸いである。これは最難関試験合格者(当時で言うと陸士・海兵・高文官)であっても例外ではない。眼に誑かされる。眼から誘惑される。
 そういう誘惑者が色をもって自由恋愛の形で迫ればこれに抗いきれる者は少ない。誘惑者は天性の才をもって誘惑に掛ける。誑し込む。そして重要なポストを占める者は猟られて行く。
(本文より)


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平成28年 『大東新報』11月号



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大東新報

妖艶の時代
 妖女は肉体的にも精神的にも、一種の壺を抱えている。それは「投げ矢の壺」というものである。
 例えば居酒屋やスナックなどの酒保での話である。それも大凶時以降の時間帯である。
 (中略)
 一般に、憑衣などと迷信掛かった言葉を使えば、憑衣は単に、他霊から「憑かれる」というふうに思い込んでいる嫌いがあるが、これは「取られる」とか「奪われる」ということを含み、一方で人格に一部が「盗られて変質する」あるいは「自己が眠らされて喪失する」などが挙げられ、一種の人格変質が、この時点で起こっているのである。人格崩壊へのシナリオである。つまり、この状況こそ、「人格の一部を占領された」あるいは「奪われた」というその瞬間である。そして、憑かれる場合、霊的波調が同じならば、地縛霊か憑衣霊の意識体の唸を背負い込むことになり、これは死霊の仕業だが、生霊ならば話術を介した妖気の仕業となる。妖気を所有する者は、何らかの事柄に不平不満を抱え、死霊の唸を抱え込んだ妖女が、それを行っているとも言われる。妖女もまた憑霊者である場合があるからだ。また、蠱媚を受ける者は、心が曇り、何処かに邪なる色情が巣食っているから、媚びに魅せられ、妖気に惹かれる。

 妖女は肉体的にも精神的にも、一種の壺を抱えている。それは「投げ矢の壺」というものである。「投げ矢の壺」とは、壺の狭い口(女陰の陰唇であり、女子外部生殖器の一部で、また尿道と膣の出口を左右からかこむ襞ならびに受け入れ口を指す)を通して暗い穴の中に矢(男根)が侵入することのイメージがある。そもそも「投げ矢の壺」は一種の遊戯であり、また古代は儀礼として遣われたこともあり、「投壺」ともいう。
(本文より)


時事報談

大東亜戦争はなぜ起こったか
 人類はその歴史の中で、有史以来、歴史史観を通じて歴史マジックなるものがある。歴史には不思議な種が隠されている。マジックだからこそ背景には種がある。
 マジックであるからこそ、不思議に見える事件が起こる。それは「山本五十六軍神説」である。

 なぜ山本五十六だけ、日本敗戦後、七十有余年を経ても「軍神」としての扱いを受けているのか。更に、海軍水交社の流脈を持つ、同じ山本と同じような扱いを受けている米内光政や井上成美も、同様なる海軍の軍神なのか。またそれに纏る「英雄論」である。そしてこれと対称的なのが、日本海軍が真珠湾を奇襲攻撃していた頃を前後して、マレー半島の最南端のシンガポール攻略の『マレーの虎』と評された山下奉文陸軍中将(第二十五軍司令官としてマレー作戦を指揮をし、のち大将)は敗戦後、極悪人の一人としてマニラの露と消えた。それも天下の悪玉としてである。

 この構図にこそ、実は歴史マジックであり、それには必ず種があるのである。そして、そこにこそ、戦中・戦後を通じての「山本五十六軍神説」に奇妙な、多くが必ず見逃してしまうマジックがあり、このマジックによって、当時も、戦後も日本人が正確正常な判断力を麻痺させる盲点と要素が横たわっているのである。

 山本予言は、何の力によって真珠湾奇襲作戦を成功させたかと言うことであった。いったい誰の力を借りて、この奇襲は成功したのか。近現代史、特に大東亜戦史には、この疑問が必要である。
(本文より)


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平成28年 『大東新報』10月号



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大東新報

温中枢と冷中枢の破壊現象
 居酒屋とかスナックとかその他、宵闇とともに押し掛けてくるその種の種属が集まるところに、邪念者が風俗などに出入りする行為において、その隙を突かれて蠱媚が忍び込む。そしてその後、肉体占領ならびに脳占領が起こり、遂に下降して腹霊へと侵入する。侵入した外邪が、もともとの本霊を締め出してそれに代わろうとするのである。
 この占領とは、「人格の一部を奪われる」ということであり、例えば、邪な心を持って女漁りをしている漢には、妖女を惹き寄せる願望が働いていて、遂に魅入られることになる。ひと晩のアバンチュールを企てて女を口説いたつもりが、実はまんまと自分が占領されていたり、あるいは酒呑みとか酒好きなる飲酒愛好者ならば、その隙に蠱媚が忍び込むのである。妖気に魅入られると言うことである。酒乱なども、ここに憑衣される転機があり、これを「盗られた憑霊現象」と言う。

 妖気は妖しさを忍ばせる。それがまた妖艶に映る。魅入られた漢はこれに惑う。あるいは妖気は、巧妙な話術をもって近付いてくる。要するに媚を売るのである。これを、「高が妖女なにするものぞ」と思ってはならない。妖艶であるから、助平漢ならイチコロであろう。近寄られれば、あるいは遠くで見られれば、次第に目が誘い込み、その技芸の暗示に掛かる。見事に掛け捕られる。話術の掛け技の妙と言うべきか……。
 その瞬間に辺りは仄かな甘い香りと、妖女を抱き寄せる一種の自身と誘惑する愚かしい勇気が生まれるのである。その行為が「引っ掛ける」である。要するに、現代風に言えば軟派だろうか。

 エロチズムとともに妖艶に惑わされ、軟弱は風潮とその風に靡く惑いが起こる。被術者は靡かされたのである。自分が捕えたのでなく、術に掛かったのである。この状態を霊的威に言えば、助平漢は、妖女の目を検て「濡れて輝いている」と検るのであって、この時点で、蠱惑の術が開始されたのである。
 蠱惑の香りが起こると、その漢の魂魄は一時的に肉体を離れて、吸い出されるような感覚に陥り、妖女に抱き取られるように、軟派の声ともに接近接触している。声がその瞬間に別人の声が響くように和音のような自分の声に感覚を耳にする。術に掛かったからである。この瞬間に狂いが怒る。人生の誤算だ。
 この構図は、決して引っ掛けてラッキーと言うものではなく、ここから悲劇が始まっているのである。
(本文より)


時事報談

 人は組織の権限に酔う。組織の高級なる歯車としてである。
 また人は、男女を問わずこれに酔い易い。恋愛に匹敵する喰らい甘味であり、酔い易いものである。これに酔わされると中々抜け出せない。腐れ縁が続くからだ。斯くして権力には魔が宿る。
 戦後でもこういうケースがあった。一九九〇年代の話である。

 ある飛行隊に人民解放軍のパイロットがいた。このパイロットは軽爆撃機を盗んで台湾の亡命した。軍では逃亡を図ったパイロットを逮捕する計画が立てられた。この計画に女スパイが逃亡したパイロットを追って国外に派遣することが決定された。この女スパイはカナダ国籍を取得しカナダ人に成り済ました。そして、カナダ人が台湾に旅行するという構図を作ったのである。
 彼女は台湾に在住する中国工作員の協力を得ながら、ターゲットに近付いた。何しろ彼女は国内で選抜された美貌の持ち主で、美貌を強力な武器として、英雄気取りで台湾政府から優遇されている逃亡将校に接近していたのである。
(本文より)


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平成28年 『大東新報』9月号



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大東新報

米国を支配する偽ユダヤ人
 「偽ユダヤ人」は、一説にはファリサイ派の流れを継承したともいわれる。アシュケナジー・ユダヤ人は旧約聖書に出て来るアブラハム、ヤコブ、イサクらの流れの血統をもつ子孫などではない。西南アジア系ではなく、ヨーロッパに近い白人系人種である。現在アメリカを席巻する1%のユダヤ人とは、アシュケナジーなのである。彼らがエスタブリッシュメントとして、国家や市民社会の様々な次元で意志決定や政策形成に影響力を及ぼすのである。ちなみにファリサイ派は、イエスの時代に盛んだったユダヤ教の一派で、紀元前二世紀後半頃に擡頭し、モーセの律法の厳格な遵守を主張し、これを守らない者を汚れた者として斥けた。だがイエスは、その偽善的傾向を激しく攻撃したことで知られる。アシュケナジー・ユダヤはこの流れを継ぎ、ユダヤ教に改宗してユダヤ人に成り済ましたとも言う。
 (中略)
 この国は完全なる階級社会である。階級を廃止したと宣言する自由の国アメリカは、自由とは名ばかりで有名無実。自由は死語になっている。この国では、大統領になるにしても一%の超スーパーリッチ層の御趣向を伺わねば大統領にはなれない。大統領選挙も完全に一%にコントロールされているのである。そのコントロールかにおいて大統領が誕生し、総てその指令に基づいた政治や経済が展開される。キリスト教国家アメリカは、今では神とは擦れ違いの生活をしている。大半のアメリカ国民は一%の層に対して、家畜化を余儀なくされたのである。その余波は日本にも及んだ。
 (中略)
 一方で企業や組織の微温湯に浸かることを余儀なくされ、その中から出られない体質に変化させてしまった。微温湯から出れば、忽ち風邪をひいてしまう軟弱体質である。組織の中に浸っている限りにおいて風邪をひかなくてすむ。家畜化ならぬ、企業の社畜に成り下がってしまったのである。これはいいも悪いもない。喰うためには誰もが、社畜の道を選択した。本来の自由を放棄してしまったのである。つまり、小数の会社役員のために、多数の会社員が奉仕するアメリカ式就業構造が、既に日本では出来上がってしまった。また数百人程度のスーパーリッチ層に対し、その他大勢の日本国民が家畜として奉仕する、人間牧場で管理される柵の中に自ら進んで入ってしまったのである。
(本文より)


時事報談

歴史マジック
 日本陸軍の発展は、まずフランスの始動から始まり、次にアメリカの指導が加わった。その間、日本海軍に限ってはイギリスの指導により、「軍人たる前に紳士であれ」という教えが徹底された。それが長い伝統にもなる。

 ところが陸軍は違った。最初、フランス陸軍を手本として実行し、独仏戦争でフランスが敗れると、直ぐにドイツに切り替えてしまった。強い者につき、その教えを受けるのは自然の理である。強い者に誰もが靡きたがる。斯くしてフランスからドイツへと乗り換えてしまった。そしてドイツに乗り換えたことで、日清・日露の戦争に勝つことが出来た。

 しかし、大正・昭和と時代が下るごとに明治期まで残っていた武士道的気質が軍人の中から去り、昭和陸軍においては軍隊官僚化されていった。大正そして昭和初期と平和が続くに従い、高級軍人である幹部層は軍隊肥大症に罹り、更に官僚としてエリート意識を持ちはじめ、その結果、戦争強硬論に積極的な方が多くに支持者を得るようになって、下克上まで起こり始める。佐官級の意見が強くなり、この意見が将官の非戦論を退けて行く。そして軍閥が起こり、武装の近代化は二の次になり、陸軍が政治へと介入することになる。その謀略癖が満洲事変を起こし、次に日中戦争に突入することになる。これは日本にとって未曾有の戦争体験を、一般国民にまで強要することになるのである。日本列島を焦土に化した元兇である。軍隊官僚が齎した元兇である。

 その一方で、日本陸軍の軍制に大きく関与したのがドイツであり、日本陸軍はドイツ化することでドイツの貢献は少なからずのものがあった。その中でも、現地戦術方式と言うものがあり、この指導はメッケルの弟子達によって日本に齎された。斯くして日本陸軍ではメッケル旋風が吹き荒れた。
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平成28年 『大東新報』8月号



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大東新報

パナマ文書
 現代に至ってはパナマ文書(PanamaPapers)が歩き始めた。この文書はパナマの法律事務所であるモサック・フォンセカ(MossackFonseca)法律事務所(イギリスの大手一般新聞である『ガーディアン』によると、世界で四番目に大きなオフショア法律事務所)によって作成された機密文書である。この文書には、オフショア金融センターを利用する二十万四千社に上る企業と、その大株主や取締役などの詳細情報が書かれている。詳細情報としてリストアップされてる企業関係者の大半は、著名な政治家や富裕層であり、また公的組織も現存する。
 これらの情報が、二〇一五年にドイツ新聞である『南ドイツ新聞』社に漏らされたのである。

 モサック・フォンセカ法律事務所は『エコノミスト』(イギリスの週刊新聞で、ロンドンに所在)に「世界で最も口が堅い海外金融業界のリーダー」と評価されていたいたが、世は情報戦の時代であり、ガードの堅い極秘情報でも人間が関与する限り情報は何処かで洩れるものである。これも人間の行動律の何かを物語っているのだろう。
 パナマ文書は明らかに情報戦の中に置かれている。秘密裏に蒐集した極秘情報は、それだけに漏洩の危険に晒される。情報戦の構図である。

 世界には米国民には見えない、超金持ちと言われる資産家の小数が大多数をコントロールしている。この資産家とは米ドル印刷集団のことである。紙と印刷熈があれば、ドル札は無限大に発行出来る。神を買うことの出来る通貨発行権を持つのである。その巣窟がFRBである。
 この通貨発行権の威力は絶大である。世界を動かしている。それに発行する単価は実に安い。単価が仮に百円とすると、コストは僅か二円程度。利益は九十八円であり、これを貸出に使う。貸出利益は莫大なものになる。この莫大な資金で、次ぎに戦費調達などに使い、軍需品は貸出とは桁違いな天文学的数字を生み出す種金となる。この種金は連鎖を起こして、更に膨らみ始める。
(本文より)


時事報談

(前回の続きより)
 重い決断を下したのだろう。
 「笑顔を作っていたとは言え、実に悲しい別れですね」
 「いや、それは違いますぞ!」
 一見、怒ったように切り返したのである。
 私は怒る理由が釈然としなかった。
 「あの……、失礼ですが、どう違うのでしょうか」
 「宜しいかな、作り笑いと言うのは無理に笑えば、それは苦笑です。
 ところが真物の笑顔は真心に顕われです。この違いが分らずして、人の心を推し量ることは出来ません」
 少しばかり、語調を強めた言い方であった。

 「……………」私は未熟を恥じた。
 「最後の別れが笑顔であるからこそ、そこには統べを解脱した尊さがあります。
 この高貴なる領域を、わたしごとき凡夫は侵すべきではありますまい。最後まで、菩薩の微笑みのように笑っておられた。感動でした。感無量です。

 私は再び敬礼して、『お元気で』と聲を掛けました。そしたら長老も『小隊長こそお元気で』と答礼してくれました。あの時のことが今でも焼き付いています。
 こうして此処で別れたのです。
 「……………」重い訣別であった。
 「その後、聞くところによると長老は敵の呼びかけで軍門に降り、敵の看護兵に運ばれて以後、手厚い看護を受けたそうです。しかし赤化教育中、結核が再発症し、遂に彼のちで潰えました。故郷の土を二度と踏むことはありませんでした。訣別したあの日の、これが形見の瓢箪です」
 長老は自分一人で身代わりを引き受け、他を逃がしたのである。
(本文より)


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平成28年 『大東新報』7月号



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大東新報

捏造時代
 世情が奇妙に捻れ出したのも、この時期であり、水面下では不思議な暗躍が起こっていた。おまけに国会まで捻れていた。そして当時と、今日の共通する国際情勢には、当時を重ね合わせて何か不思議に一致するものを見出せるのである。
 国際政治における「奇妙な正当性」である。それを具体的に論ずるならば、食文化に併せて日本人の急激な変わりようである。
 (中略)
 さて、昭和二〇年八月六日、広島への原子爆弾投下は、人類がはじめて、頭上を人工太陽で灼かれた日であった。広島に投下した原子爆弾はリトルボーイだった。この原爆計画は「ペーパークリップ作戦」と言う名で実施された。
 ペーパークリップ作戦とは第二次世界大戦末から終戦直後にかけ、米軍が元ナチスドイツの優秀な科学者をドイツからアメリカに連行したときの一連の作戦名であり、ペーパークリップ計画(ProjectPaperclip/統合参謀本部に全作戦の責任が委ねられた)と呼ばれるものである。
 この作戦は、ナチスドイツの科学者と技術者で構成された。つまり広島投下の原爆はナチスドイツの科学者と技術者で完成されたものである。

 この計画遂行に資金支援したのが「連銀」と呼称されたFRB(FederalReserveBank/アメリカで、連邦準備制度により各連邦準備区に設立された連邦準備銀行)であった。

(本文より)


時事報談

(前回の続きより)
 わたしたち部隊は、全員で一致団結しました。
 本来、団結自体は、実はあやふやなものなのですが、これが一致すれば、人間は信じられない力を発揮するのです。これが力の集中です。
 それに比べて、現代はどうでしょうか。
 「多様化」などの言葉が流行しておりますが、この語は、どうも、わたしからすれば浮薄な時代の流行語に思えてなりません。ただ騒がしい、煽動の何かが働いて、何かに動かされているという感じがしてなりません。今日の日本を思いますれば、この国全体が連帯で動いているのでなく、個々人の勝手な思惑で動いているようにしか映りません。こう言うのを個人主義と言うのでしょうか、わたしたちの年代は、あの激戦下の十字砲火の中を潜り抜けて参りましたから、今の状況が何となく、あの当時の夜襲前夜のように感じるときがあります。夜襲前夜と言っては語弊がありましょうが、今は、まかり間違えば、死を覚悟しなければならない危機に直面しているのではありますまいか。

 生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされても、何の危機感もなく、めいめいの心は向かうべき対象を見詰めるでもなく、坐して沈黙を守り、静かに世の流れに忍従をし、一切を浮薄の中に葬り去ろうとする敗北主義、あるいは投げやりな終末主義に奔走しているように映るのですが、これは私の思い過ごしなのでしょうか。

 そうであれば、幸いです。

 その後、石家荘までの道程は遠く、炎天下の中を、来る日も来る日も歩き通したそうである。人間は炎天下で灼かれると、何処をどう歩いているのか分らない、こういう錯覚に陥り易い。やがて水が一滴もなくなってしまう。炎天下の強行軍は烈しい量の水を消耗するのである。
(本文より)


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